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訪問看護2026年改定で引き下げられた項目一覧|減算リスクと対策【2026改定対応】

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看護レポ編集部
2026年5月20日9分で読める
訪問看護2026年改定で引き下げられた項目一覧|減算リスクと対策【2026改定対応】

訪問看護2026年改定の引き下げ項目とは、令和8年(2026年)6月1日施行の告示74号で単価・要件が引き下げ・減算された項目を指します。全体改定率は+3.09%のプラス改定ですが、訪問看護分野では「効率化▲0.15%」の一部財源として、同一建物居住者への訪問看護(Ⅱ)が抜本改定されました。本記事では引き下げ項目の実数値と、小規模ステーションが経営影響を最小化する対策を整理します。

この記事のポイント

  • 全体改定率は**+3.09%のプラス改定**。引き下げは「効率化▲0.15%」の一部です
  • 同一建物居住者への訪問看護(Ⅱ)で10人以上区分を新設し単価逓減(最大約50%減)
  • 同一建物の定義が拡大(同一敷地内の別棟も対象)
  • 20分未満訪問は算定不可、30分以上を標準化
  • 機能強化型管理療養費は引き上げ(+530円等)、BU評価料も倍額化予定で経営影響は分散

1. 引き下げは+3.09%全体のうち「▲0.15%の一部」

まず押さえるべきは、2026年改定の全体改定率は+3.09%(R8+R9の2年度平均)のプラス改定という事実です。訪問看護分野のすべてが引き下げられたわけではありません。

大臣折衝事項(令和7年12月24日)の改定率内訳

令和7年12月24日の大臣折衝事項で、以下の配分が決定されました(出典:訪問看護ステーション向け資料P.4)。

項目 配分率
賃上げ分 +1.70%
物価対応分 +0.76%
食費・光熱水費分 +0.09%
R6以降経営環境悪化緊急対応分 +0.44%
効率化(後発品・在宅医療・訪問看護適正化・リフィル等) ▲0.15%
その他 +0.25%

「効率化▲0.15%」の中身として「実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化」が明記されています。これが訪問看護の引き下げ財源です。

年度別の内訳

  • 令和8年度(R8.6〜): +2.41%
  • 令和9年度(R9.6〜): +3.77%

つまり、訪問看護は「プラス改定のなかで一部項目が引き下げられた」構造です。引き下げ項目を過度に恐れず、引き上げ項目との差し引きで経営影響を捉えることが重要です。


2. 同一建物居住者への訪問看護(Ⅱ)の抜本改定

2026年改定で訪問看護分野の最大の引き下げは、**同一建物居住者への訪問看護基本療養費(Ⅱ)**です。3つの主要変更が同時に実施されました。

変更点①:10人以上区分を新設(単価逓減)

従来の訪問看護基本療養費(Ⅱ)は「2人」「3人以上9人以下」の2区分でしたが、改定後は10〜19人/20〜49人/50人以上の3区分が新設されました。さらに月の訪問日数でも月20日目まで/月21日目以降で細分化されています(出典:告示第74号P.7)。

看護師等の単価(1日につき)

人数 週3日目まで 週4日目以降
2人 5,550円 6,550円
3〜9人 2,780円 3,280円

10人以上の新設区分(看護師等・日数で細分化)

人数 月20日目まで 月21日目以降
10〜19人 2,760円 2,660円
20〜49人 2,710円 2,610円
50人以上 2,610円 2,510円

准看護師は上記から約500円減。理学療法士等も看護師と同額体系。

**最大の引き下げは「同一建物50人以上・月21日目以降の2,510円」**で、2〜9人区分(3,280円)と比較すると約23%減です。大規模高齢者住まい併設ステーションでは、月単位の影響が数十万円規模になる可能性があります。

変更点②:「同一建物」の定義拡大

改定後の「同一建物」には、同一敷地内の別棟も含まれるよう定義が拡大されました(出典:疑義解釈その2・問1)。

具体的には以下が対象です。

  • ① 同一地番の敷地内
  • ② 公道に出ずに敷地を行き来できる等、一体的に利用されている敷地

ただし、UR大規模団地のように他者が占有する土地で隔てられ建物間距離が離れている場合は含まれません。

従来「別建物」と扱えていた敷地内別棟が「同一建物」となり、人数カウントの対象が拡大したケースが多数発生しています。

変更点③:20分未満訪問は算定不可、30分以上を標準化

改定後は20分を下回る訪問は訪問看護療養費を算定できません。30分以上の訪問を標準化する方向性が告示で示されました。短時間の安否確認目的の訪問が算定対象から外れる点に注意が必要です。

訪問時間の記録が曖昧な場合、レセプト返戻のリスクが高まります。記録時の開始・終了時刻を明確に残す運用が必須です(返戻対策の詳細は訪問看護レセプト返戻対策【2026改定対応】チェックリストを参照)。

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3. 加算の引き下げ:複数名・夜間早朝・深夜・難病等複数回

基本療養費(Ⅱ)以外にも、同一建物居住者の人数で逓減する加算が多数あります。引き下げ幅が大きい順に整理します。

3-1. 深夜訪問看護加算(最大約64%減)

同一建物3人以上の場合、月16日目以降の減算区分が新設されました(出典:告示第74号)。

人数 月15日目まで 月16日目以降
1〜2人 4,200円 4,200円
3〜9人 4,200円 4,000円
10〜19人 3,900円 2,300円
20〜49人 2,100円 1,500円
50人以上 1,800円 1,300円

同一建物20〜49人・月16日目以降は1,500円で、従来4,200円相当から約64%減と最大の引き下げ幅です。

3-2. 難病等複数回訪問加算(1日3回以上・最大約51%減)

1日に3回以上訪問する場合の加算単価が大きく下がりました。

人数 月20日目まで 月21日目以降
1〜2人 8,000円 8,000円
3〜9人 7,200円 6,900円
10〜19人 6,300円 5,200円
20〜49人 4,800円 3,500円
50人以上 4,100円 3,000円

同一建物20〜49人・月21日目以降は3,500円で、従来7,200円相当から約51%減です。

3-3. 夜間・早朝訪問看護加算

人数 月15日目まで 月16日目以降
1〜2人 2,100円 2,100円
3〜9人 2,100円 1,900円
10〜19人 1,800円 1,300円
20〜49人 1,200円 950円
50人以上 1,000円 800円

同一建物50人以上・月16日目以降は800円で、1〜2人区分(2,100円)比で約62%減です。

3-4. 複数名訪問看護加算

同一建物10人以上で減算区分が新設されました。

パターン 1〜2人 3〜9人 10〜19人 20〜49人 50人以上
看護師(週1日) 4,500円 4,000円 3,400円 3,000円 2,700円
准看護師(週1日) 3,800円 3,400円 2,800円 2,500円 2,200円
その他職員(週3日) 3,000円 2,700円 2,100円 1,900円 1,600円
その他職員 1日2回 6,000円 5,400円 3,800円 3,450円 3,300円
その他職員 1日3回 10,000円 9,000円 5,500円 4,800円 4,500円

その他職員1日3回のケースで、1〜2人(10,000円)と50人以上(4,500円)を比較すると約55%減です。


4. 「引き下げ」の裏で引き上げられた項目

引き下げ項目だけを見ると経営インパクトが大きく感じられますが、同時に引き上げられた項目・新設された加算を合わせて評価することが重要です。

引き上げ項目

訪問看護管理療養費(月の初日)

区分 改定後 現行 増減
機能強化型訪問看護管理療養費1 13,760円 13,230円 +530円
機能強化型訪問看護管理療養費2 10,460円 10,030円 +430円
機能強化型訪問看護管理療養費3 9,030円 8,700円 +330円
機能強化型訪問看護管理療養費4(新設) 9,030円 新設 —

訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)

時期 基本額
現行 780円
R8.6〜 1,050円(+270円)
R9.6〜 2,100円(倍額化)

乳幼児加算(通常)

  • 1,300円→1,400円(+100円、重症児1,800円は据え置き)

新設加算(7項目)

名称 単価(R8.6〜)
包括型訪問看護療養費(04区分) 5,960〜15,510円/日
訪問看護遠隔診療補助料(06区分) 2,650円/月1回
訪問看護物価対応料(08区分・月初日) 60円
訪問看護医療DX情報活用加算 50円/月
訪問看護医療情報連携加算 1,000円/月
機能強化型訪問看護管理療養費4 9,030円(月初日)
遠隔死亡診断補助加算 1,500円

出典: 告示第74号PDF

差し引きの経営影響

小規模〜中規模ステーション(同一建物10人未満が中心)の場合、同一建物引き下げの影響は限定的で、管理療養費・BU評価料・新設加算の引き上げの方が経営インパクトが大きくなる傾向があります。

一方、大規模高齢者住まい併設ステーション(同一建物10人以上中心)は引き下げ影響が大きいため、包括型訪問看護療養費(04区分)への切り替えも検討する価値があります。包括型は1日5,960〜15,510円の包括算定で、24時間体制・電子記録・地域連携研修等の要件を満たす必要があります。


5. 小規模ステーションの減算リスク対策

引き下げ項目の影響を最小化するため、小規模〜中規模ステーションが取るべき対策を整理します。

対策①:引き下げ項目を正確に記録する

同一建物人数・月の訪問日数の区分判定を誤ると、レセプト返戻の原因になります。特に以下の点を記録フォーマットに組み込んでください。

  • 訪問先住所が「同一敷地内」に該当するかの判定
  • 同一建物の利用者数の月次集計
  • 月の訪問日数カウント(20日目/21日目の境界を意識)
  • 訪問開始・終了時刻の明確な記録(20分未満は算定不可)

対策②:引き上げ項目を最大限活用する

新設加算・引き上げ項目を漏れなく算定することで、全体の収益を確保します。

  • 訪問看護医療情報連携加算(1,000円/月):ICT連携5機関以上で算定可。ウェブサイト要件は令和8年9月30日まで経過措置
  • 訪問看護医療DX情報活用加算(50円/月):オンライン請求+電子資格確認で算定可
  • 機能強化型管理療養費への格上げ検討:機能強化型1(13,760円)への届出要件を満たせるか再確認
  • BU評価料の継続的賃上げ実施ST加算:R9.6で2,880円(R8.6は1,830円)。賃上げ実績を継続する価値が高い

対策③:包括型訪問看護療養費の検討(大規模併設型のみ)

同一建物10人以上の利用者が中心の高齢者住まい併設ステーションは、包括型訪問看護療養費への切り替えを検討してください。1日5,960〜15,510円の包括算定となり、同一建物引き下げの影響を受けません。ただし以下の要件が必要です。

  • 24時間体制(日中・夜間帯各1回以上訪問)
  • 1日1回以上は看護職員(准看護師除く)
  • 90分以上区分は夜間帯対応看護職員常時1名以上
  • 電子的方法での記録保存
  • 地域連携研修実績(令和9年5月31日まで経過措置)

対策④:記録システムの見直し

改定対応の記録要件(開始・終了時刻・同一建物判定・ICT連携記録等)を漏れなくこなすには、紙・Excel中心の運用ではミスが発生しやすくなります。

看護レポのようなスマホ/LINE対応の訪問看護記録システムを活用すれば、時刻記録・訪問先住所・同一建物集計を自動化でき、レセプト返戻リスクを低減できます。


まとめ

訪問看護2026年改定の引き下げは、「+3.09%のプラス改定のなかで同一建物居住者への訪問看護(Ⅱ)が抜本的に適正化された」という構造です。引き下げ幅は深夜加算で最大約64%減・難病等複数回加算で約51%減ですが、同時に管理療養費・BU評価料・新設加算の引き上げも多数あります。

経営影響を最小化するには、引き下げ項目の正確な記録と、引き上げ項目・新設加算の最大活用が両輪になります。特に同一建物10人以上の利用者が中心の事業所は、包括型訪問看護療養費への切り替えも検討する価値があります。

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参考・出典

  • 厚生労働省 令和8年度診療報酬改定ポータル
  • 令和8年厚生労働省告示第74号
  • 訪問看護ステーション向け改定資料
  • 質の高い訪問看護の推進(項目別)
  • 実施上の留意事項通知(保発0305第19号)
  • 疑義解釈その2
  • 大臣折衝事項(令和7年12月24日)

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