訪問看護2026年改定の時系列とは、令和8年(2026年)1月14日の諮問から6月1日の施行までの、中医協答申・厚労省告示・通知発出・経過措置終了までの一連のタイムラインを指します。管理者は月別に届出・研修・システム整備を進める必要があります。本記事では、公式スケジュールと月次のやるべきタスクを出典付きで整理しました。
この記事のポイント
- 訪問看護分野の施行日は令和8年6月1日。薬価のみ4月1日施行です
- 主要告示は3本(告示74号・75号・厚労省令21号)。すべて令和8年3月5日告示です
- 経過措置の最終期限は令和9年5月31日(包括型の地域連携研修要件)です
- 管理者の月次準備は4月(届出準備)→5月(届出提出・研修)→6月(施行初月の算定確認)が最重要
1. 2026年改定の全時系列
訪問看護2026年改定は、以下のタイムラインで進行しました。主要な日付をまとめます。
| 日付 | 事項 | 出典 |
|---|---|---|
| 令和8年1月14日 | 諮問(厚労大臣→中医協) | 答申書PDF冒頭の発保0114第1号 |
| 令和8年2月13日 | 答申(中医協→厚労大臣) | 中医協答申書 |
| 令和8年3月5日 | 告示(医科・訪問看護・歯科・調剤) | 改定ポータル |
| 令和8年3月5日 | 実施上の留意事項通知発出 | 保発0305第19号 |
| 令和8年3月27日 | 訪問看護計画書等の記載要領 | 保医発0327第10号 |
| 令和8年3月〜4月 | 疑義解釈その1・その2発出 | その1/その2 |
| 令和8年4月1日 | 薬価改定 施行 | 大臣折衝事項 |
| 令和8年5月31日 | 旧算定方法告示(令和6年) 廃止 | 留意事項通知 |
| 令和8年6月1日 | 訪問看護・医科・歯科・調剤 施行 | 告示第74号冒頭 |
| 令和8年9月30日 | 医療情報連携加算ウェブサイト要件の経過措置終了 | 質の高い訪問看護の推進P.9 |
| 令和9年5月31日 | 包括型訪問看護療養費の地域連携研修要件経過措置終了 | 質の高い訪問看護の推進P.16 |
| 令和9年6月1日 | ベースアップ評価料(Ⅰ)・物価対応料の倍額化 | 告示第74号 |
なぜ薬価だけ4月で、訪問看護は6月なのか
令和8年度の診療報酬改定では、薬価のみ4月1日施行、それ以外の医科・歯科・調剤・訪問看護は6月1日施行と時期が分かれました。これは令和6年度改定から導入された「施行時期の後ろ倒し」方針が継続されたものです。改定対応のシステム更新・職員教育・届出準備にかかる現場負担を軽減するため、告示から施行まで約3か月の猶予期間を設ける形に変更されています。
告示74号の冒頭には「令和八年六月一日から適用する」と明記されており、訪問看護分野の施行日は確定事項です(出典:告示第74号PDF)。
2. 主要告示3本と関連通知の発出日
訪問看護2026年改定に関連する主要告示・省令は以下の3本です。すべて令和8年3月5日に一斉告示されました([出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定ポータル])。
告示・省令
| 種別 | 番号 | 内容 |
|---|---|---|
| 厚生労働省告示 | 第74号 | 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件 |
| 厚生労働省告示 | 第75号 | 訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等の一部を改正する件 |
| 厚生労働省令 | 第21号 | 保険医療機関及び保険医療養担当規則等の一部を改正する省令(第3条が訪問看護基準省令) |
| 厚生労働省告示 | 第120号 | 厚生労働大臣が定める指定訪問看護の一部を改正する件 |
関連通知
| 発出日 | 番号 | 内容 |
|---|---|---|
| 令和8年3月5日 | 保発0305第19号 | 実施上の留意事項について |
| 令和8年3月5日 | 保発0305第20号 | 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について |
| 令和8年3月5日 | 保医発0305第9号 | 基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて |
| 令和8年3月27日 | 保医発0327第10号 | 訪問看護計画書等の記載要領 |
疑義解釈の発出時期
疑義解釈は施行前後に複数回に分けて発出されました。管理者は施行後も継続してチェックする必要があります。
- 疑義解釈その1: 令和8年3月(別添5が訪問看護療養費関係)
- 疑義解釈その2: 令和8年4月(別添6が訪問看護療養費関係)
- 疑義解釈その3: 包括型訪問看護療養費の運用Q&A中心
各疑義解釈の主要Q&Aは訪問看護2026年改定 管理者向けQ&A 40選で整理しています。
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3. 経過措置終了までのカレンダー
2026年改定は一部要件に経過措置が設定されており、すぐに整備が間に合わない場合も猶予があります。経過措置の期限を逃すと加算が算定できなくなる(または新しい単価に準拠できなくなる)ため、月別にカレンダー化して管理する必要があります。
経過措置一覧
| 期限 | 項目 | 影響 |
|---|---|---|
| 令和8年5月31日 | 旧算定方法告示(令和6年)廃止 | 6月1日から新単価 |
| 令和8年9月30日 | 訪問看護医療情報連携加算:ウェブサイト掲載基準 | 10月1日以降、実際のウェブ公開が必須 |
| 令和9年5月31日 | 包括型訪問看護療養費:地域連携研修・事例検討会実績要件 | 6月1日以降、実績が必須 |
| 令和9年6月1日 | 訪問看護物価対応料の倍額化 | 自動反映 |
| 令和9年6月1日 | 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)倍額化 | 自動反映 |
| 令和9年6月1日 | 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)区分拡大(18→36) | 届出見直し必要 |
出典: 質の高い訪問看護の推進
特に注意すべき3つの期限
① 令和8年9月30日:医療情報連携加算のウェブサイト要件 医療情報連携加算(月1,000円)を算定する場合、連携機関リスト等のウェブ公開が必要です。経過措置期間は「掲載基準に該当するものとみなす」扱いですが、10月1日以降は実際のウェブ公開がないと算定できなくなります。
② 令和9年5月31日:包括型の地域連携研修実績 包括型訪問看護療養費(1日5,960〜15,510円)を算定するには、地域医療機関・訪問看護ステーションとの合同研修・事例検討会等の連携実績が要件の1つです。施行時点では経過措置で免除されますが、令和9年6月までに実績を積む必要があります。
③ 令和9年6月1日:ベースアップ評価料(Ⅰ)倍額化と(Ⅱ)区分拡大 BU評価料(Ⅰ)は1,050円→2,100円、継続的賃上げ実施STは1,830円→2,880円に倍額化されます。(Ⅱ)は区分18→区分36まで拡大し、賃上げ段階に応じた細分化が進みます。この倍額化は「自動反映」ではなく、届出内容の見直しが必要になる可能性があるため、令和9年4月以降に地方厚生局からの案内を注視してください。
4. 管理者の月次準備チェックリスト
施行までの月別準備タスクを整理しました。すでに3月・4月は告示・通知の読み込みが完了している前提で、5月・6月・9月以降の重点タスクを記載します。
令和8年5月(施行直前)
- 施設基準届出の確定・提出:機能強化型4、包括型訪問看護療養費、24時間対応体制加算(取組ありで届出)等を5月中に提出
- オンライン請求体制の整備:訪問看護医療DX情報活用加算(50円)の前提要件
- 電子資格確認(マイナ保険証)体制の整備
- ICT連携機関リストの作成:医療情報連携加算は5機関以上の連携が要件
- 訪問看護計画書・報告書・指示書様式の差し替え(押印欄削除の新様式。従前様式も引き続き使用可)
- 医療安全研修の年間計画策定:年1回・新規採用時を含む定期的受講が望ましい
- 職員向け改定内容研修の実施:同一建物居住者への訪問看護(Ⅱ)の引き下げ、新設加算の算定要件等
- レセコン・訪問看護システムの改定対応更新:新単価・新区分の反映
令和8年6月(施行初月)
- 新単価でのレセプト作成:6月分の請求は7月10日までに国保連・社保連に提出
- 同一建物居住者の定義再確認:同一敷地内別棟も「同一建物」に含まれる点に注意
- 20分未満訪問の算定可否チェック:20分を下回る訪問は算定不可
- 30分以上訪問の標準化:記録の開始・終了時刻を明確に
- 訪問看護医療DX情報活用加算(50円)の算定開始:要件を満たしていれば6月から算定可
- 訪問看護医療情報連携加算(1,000円)の算定可否確認:連携5機関・記録・ウェブ掲示(経過措置)
令和8年7月〜9月(経過措置終了前)
- 医療情報連携加算ウェブサイトの整備:9月30日まで
- 連携機関リストの定期更新:法人名・医療機関コード等
- 疑義解釈その3以降の最新情報チェック:厚労省ウェブサイトで追加発出をモニタリング
- 機能強化型4の実績記録:別表7・8該当+精神科重症10人以上/月を月次で記録
令和8年10月〜令和9年5月
- 医療情報連携加算ウェブサイト運用開始:経過措置終了後の実運用
- 包括型の地域連携研修・事例検討会の実施・記録:令和9年5月31日までに実績を積む
- R9.6倍額化対応の届出準備:BU評価料(Ⅰ)の2,100円適用、(Ⅱ)の区分拡大
令和9年6月以降
- 倍額化の自動反映確認:レセコン・請求システムの単価更新
- BU評価料(Ⅱ)の区分見直し:区分19〜36への移行届出
- 継続的賃上げの実施証明:R6→R9累計賃上げ率要件(一般職8.7%・看護補助者13.7%)の達成確認
5. 令和9年6月の第2波改定(倍額化)
2026年改定は「令和8年6月施行」と「令和9年6月施行」の2段階で実施されます。令和9年6月には以下の倍額化・区分拡大が自動適用されるため、管理者は1年後の第2波改定も視野に入れた準備が必要です。
令和9年6月以降の主な変更
| 項目 | R8.6〜 | R9.6〜 |
|---|---|---|
| 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)基本額 | 1,050円 | 2,100円 |
| BU評価料(Ⅰ)継続的賃上げ実施ST | 1,830円 | 2,880円 |
| BU評価料(Ⅱ)区分 | 1〜18 | 1〜36(拡大) |
| 物価対応料1イ(月初日) | 60円 | 120円 |
| 物価対応料1ロ(2日目以降) | 20円 | 40円 |
| 物価対応料2 | 20円 | 40円 |
出典: 告示第74号PDF(07区分注4・08区分注3)
賃上げ率目標(R6→R9累計)
令和7年12月の大臣折衝事項で、訪問看護分野のベースアップ評価料の要件として以下の賃上げ率が示されました(出典:訪問看護ステーション向け資料P.4)。
- R8年度+3.2%、R9年度+3.2%のベースアップ(看護補助者・事務職員はR8+5.7%、R9+5.7%)
- R6→R8累計:一般職5.5%、看護補助者・事務職員8%
- R6→R9累計:一般職8.7%、看護補助者・事務職員13.7%
この累計賃上げ率を達成することで、BU評価料(Ⅰ)の継続的賃上げ実施ST加算(R9.6で2,880円)が算定可能になります。達成できない場合は基本額(2,100円)のみの算定となります。
まとめ
訪問看護2026年改定は、諮問(令和8年1月14日)→答申(2月13日)→告示(3月5日)→施行(6月1日)と進み、さらに令和9年5月31日・令和9年6月1日にも重要な経過措置終了・倍額化が待っています。
管理者が特に注意すべきタイミングは以下の4つです。
- 令和8年5月中:届出・システム整備・研修の完了
- 令和8年6月:新単価での請求開始・同一建物定義の運用確認
- 令和8年9月30日:医療情報連携加算のウェブサイト整備完了
- 令和9年5月31日・6月1日:包括型の研修実績・BU評価料倍額化
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参考・出典
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