訪問看護 医療保険レセプトの書き方と点検チェックリスト
訪問看護の医療保険レセプト(訪問看護療養費明細書)の正しい記載方法を、記載例と点検チェックリストで解説します。よくある記載ミスTOP10とその防止策、2026年改定対応、国保連フォーマットへの転記ミス削減策まで網羅した管理者・事務担当者向けガイドです。
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訪問看護の医療保険レセプト(訪問看護療養費明細書)の正しい記載方法を、記載例と点検チェックリストで解説します。よくある記載ミスTOP10とその防止策、2026年改定対応、国保連フォーマットへの転記ミス削減策まで網羅した管理者・事務担当者向けガイドです。
訪問看護で介護保険と医療保険のどちらを使うか迷ったときの判断フローチャート。別表7・別表8の該当疾患一覧、月途中の保険切替、同日算定ルール、ケース別20事例を網羅。返戻を防ぐ振り分け判断の完全ガイドです。
訪問看護指示書の有効期限ルール・特別訪問看護指示書の使い方・期限切れ返戻の防止策を徹底解説。医師への交付依頼タイミング、管理台帳テンプレート、よくある失敗事例まで網羅した管理者・事務担当者向けの完全ガイドです。2026年改定対応版。
訪問看護計画書は、利用者一人ひとりの在宅生活を支える「看護の設計図」です。正しく書けているかどうかは、ケアの質だけでなく、実地指導(運営指導)での評価や、報告書との整合性チェックにも直結します。
しかし現場では「目標をどう書けばよいかわからない」「2024年改定で療養上の課題という書き方に変わったがどう対応すればよいか」「疾患ごとに何を書けばよいのか」という悩みが絶えません。
この記事では、2024年(令和6年)改定に対応した計画書の書き方を、疾患別テンプレート20選とともに徹底解説します。実地指導で指摘されやすいポイント、報告書との整合性確保、利用者・家族への説明方法まで、現場で即使えるノウハウをまとめました。
訪問看護計画書は、訪問看護ステーションが利用者に対してどのような看護を提供するかを示す文書です。介護保険・医療保険のいずれの場合も、主治医からの訪問看護指示書に基づき、看護師または保健師が作成します。
法的根拠は以下のとおりです。
どちらも「訪問看護計画書を作成し、主治医に提供すること」「利用者・家族に説明し、同意を得ること」が義務とされています。
訪問看護計画書は、担当の看護師・保健師・助産師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が作成します。管理者がすべて作成するのではなく、担当者が主体的に作成することが求められています。
ただし、管理者には「計画書の内容について十分な助言・指導等の管理を行う責任」があります(老企第55号通知)。計画書の品質管理は、ステーション全体の責任です。
訪問看護計画書の作成・更新タイミングは以下のとおりです。
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| サービス開始時 | 最初の訪問前または初回訪問後すみやかに作成 |
| 毎月 | 前月分の評価をふまえ当月分の計画を作成(介護保険) |
| 状態変化時 | 病状や生活状況に大きな変化があった場合は随時更新 |
| 指示書の更新時 | 主治医の指示書が更新された際に内容を確認・見直し |
| ケアプラン変更時 | 居宅サービス計画(ケアプラン)が変更された場合 |
介護保険の場合、計画書は月1回作成が原則です。毎月、前月の評価を記載したうえで新しい目標・計画を立てる「月次PDCA」が基本となります。
医療保険の場合は、毎月の作成が法律で明示されているわけではありませんが、訪問看護指示書の有効期限内(最長6ヶ月)に定期的な見直しが必要です。状態に変化があれば随時更新するのが適切です。
令和6年(2024年)の通知(保医発0327第6号)で示された医療保険における訪問看護計画書の記載項目は以下のとおりです。
介護保険では上記に加え、ケアプランとの整合性を示すための記載も必要です。
計画書を作成したら、以下の手続きが必要です。
①利用者・家族への説明と同意取得
計画書の内容を利用者・家族に説明し、署名(同意)を得ます。説明のポイントは後述しますが、医療専門用語は避け、わかりやすい言葉で伝えることがポイントです。
②主治医への提供(医療保険の場合)
医療保険を使った訪問看護では、計画書を主治医に提供することが義務づけられています。月1回、報告書とセットで提供するのが一般的です。
③ケアマネジャーへの共有(介護保険の場合)
介護保険の場合は、居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)に計画書の内容を共有し、ケアプランとの整合性を確認します。
④記録の保管
計画書は最低5年間の保管義務があります(介護保険法第115条の44第2項)。電子データで保管する場合は、真正性・見読性・保存性の3要件を満たすシステムを使用する必要があります。
令和6年(2024年)の診療報酬・介護報酬の同時改定により、訪問看護計画書の記載様式が変更されました。最大の変更点は、「問題点」という項目名が「療養上の課題」に変わったことです。
これは単なる言葉の言い換えではありません。記載の「視点」そのものが変わることを意味しています。
| 旧様式(2024年3月まで) | 新様式(2024年4月以降) |
|---|---|
| 問題点 | 療養上の課題 |
| 解決策 | 支援内容 |
「問題点」の視点(旧来の書き方)
問題点とは、「あるべき状態からのズレ」を指摘する書き方です。病状や身体機能の異常を列挙しがちで、医療者目線の表現になりやすい傾向がありました。
例:「高血圧があり、内服管理が不十分」「転倒リスクが高い」「認知機能低下により服薬自己管理困難」
「療養上の課題」の視点(新しい書き方)
療養上の課題とは、「在宅での生活を継続するうえで、利用者が実際に直面している課題」です。身体面・認知面・生活環境・家族関係などを統合的に捉え、「その人がその人らしく在宅で生きていくために何が課題なのか」という視点で記載します。
例:「服薬管理の不安定さにより血圧コントロールが困難となり、自宅での安心した生活の継続に支障をきたしている」「転倒への恐怖感から活動が制限され、生活の質の低下が懸念される」
ポイント①:利用者の在宅生活を軸に据える
「この人が家で生活を続けるために何が課題か」という問いを起点にしてください。病名や数値だけでなく、日常生活への影響を含めて記載します。
ポイント②:利用者・家族が読んでわかる表現にする
計画書は利用者・家族に説明し、同意を得る文書です。「ADL低下」「褥瘡発生リスク」といった専門用語をそのまま使うのではなく、「日常生活での動きが難しくなっており、床ずれができやすい状態にある」のような言葉に置き換える意識が必要です。
ポイント③:課題と支援内容を必ず対応させる
「療養上の課題」に対して、「その課題に対する支援内容は何か」を明確に対応させて書いてください。課題だけ書いて支援内容との紐づけが曖昧なものは、監査で指摘されやすい点です。
ポイント④:ICF(国際生活機能分類)の視点を活かす
ICFでは「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3層と、「環境因子」「個人因子」の2つの背景因子で人を捉えます。課題を身体症状だけに限定せず、「活動(何ができるか)」「参加(社会との繋がり)」「環境(住環境・家族関係)」も含めて記載すると、より実態に即した計画書になります。
ポイント⑤:否定的・悲観的な表現を避ける
「認知症があり問題行動がある」「余命わずか」「寝たきり状態で改善の見込みなし」といった表現は避けてください。利用者・家族が読んで不快・不安に感じる表現は、計画書の本来の目的(ケアの方向性の共有)を損ないます。
悪い書き方(旧来の問題点的表現)
良い書き方(療養上の課題として)
基本情報欄は誤りがあると監査で即座に指摘される項目です。以下を確認してください。
| 項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 利用者氏名 | 戸籍上の正式な氏名(旧字体に注意) |
| 生年月日 | 和暦・西暦の統一(事業所内でルールを統一する) |
| 要介護度 | 認定有効期限内かどうか確認。更新月は要注意 |
| 保険種別 | 医療保険・介護保険を正確に記載。月途中で変わる場合は特に注意 |
| 主治医・医療機関名 | 指示書と一致していること |
| 担当看護師名 | 実際に訪問する担当者名を記載 |
| 計画期間 | 指示書の有効期限内であること |
目標は「長期目標」と「短期目標」の2段階で設定するのが一般的です。
長期目標の設定
長期目標は、訪問看護全体を通じて目指す状態像です。利用者・家族の希望や生活上の願いを反映した、ポジティブな表現で書きます。期間は3〜6ヶ月程度を想定するのが一般的です。
短期目標の設定
短期目標は、長期目標に向けた1〜2ヶ月単位の具体的な達成目標です。評価可能な数値や行動指標を含めると、毎月の評価がしやすくなります。
訪問看護の目標設定には、看護計画全般で使われるSMART基準が有効です。
| 基準 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| Specific(具体的) | 誰が見ても明確な内容 | 「血圧管理ができる」→「収縮期血圧140mmHg以下を維持できる」 |
| Measurable(測定可能) | 達成・未達成を判断できる | 「ADLが改善する」→「入浴動作を見守り介助でできる」 |
| Achievable(達成可能) | 利用者の状態から現実的な目標 | 重度の片麻痺がある人に「自立歩行」は非現実的 |
| Relevant(関連性) | 利用者の生活上のニーズと連動 | 利用者が「孫に会いたい」なら外出支援につながる目標を |
| Time-bound(期限付き) | 評価時期が明確 | 「1ヶ月後に再評価」「3ヶ月以内に達成」 |
療養上の課題
前章で説明した「療養上の課題」の視点で記載します。課題は1つのアセスメントにつき1項目ずつ整理すると、後の支援内容との対応が明確になります。
支援内容
療養上の課題に対して、具体的に「何を・どのように行うか」を記載します。O-P(観察計画)・T-P(ケア計画)・E-P(教育・指導計画)の3つの視点で整理すると漏れがなくなります。
| 観点 | 内容 | 例(心不全の場合) |
|---|---|---|
| O-P(観察) | 状態観察・アセスメント | 体重・浮腫・呼吸音・SpO₂の確認 |
| T-P(ケア・処置) | 直接的なケア | 服薬確認、フットケア、ADL支援 |
| E-P(教育・指導) | 指導・教育 | 体重管理の方法、増悪徴候の説明 |
評価
前月の計画に対する評価を記載します。「目標達成・継続・変更」の区分と、その根拠となる具体的な状態変化を記載してください。評価が「継続」のみで根拠がない場合は実地指導で指摘されやすいです。
褥瘡処置や尿道カテーテル管理など、衛生材料が必要な処置がある場合は必ず記載します。
記載項目:
記載例
| 処置内容 | 使用材料 | 必要量(月) |
|---|---|---|
| 仙骨部褥瘡処置 | 非固着性ガーゼ、医療用テープ、生理食塩水 | ガーゼ30枚、テープ2巻、生食500ml×2本 |
| 胃ろう周囲の清潔ケア | 綿棒、微温湯 | 綿棒1箱 |
衛生材料の必要量の記載は、介護保険の計画書で特に大切です。保険請求と衛生材料の記録が一致していないと返戻・監査の指摘対象になります。
「誰が・いつ・どのくらい訪問するか」を利用者がわかるように記載します。週何回、何曜日に訪問するかのスケジュールを具体的に示してください。
記載例:
現場でよく見られる「目標のNG例」と、それをどう書き換えるべきかを比較します。計画書を見直す際のチェックリストとして活用してください。
| NG例 | 問題点 | OK例 |
|---|---|---|
| 「状態が安定する」 | 何をもって安定とするか不明 | 「収縮期血圧140mmHg以下・体重変動±2kg以内を維持できる」 |
| 「できる限り自立した生活を送れる」 | 「できる限り」が評価不能 | 「食事・排泄を見守りなしで行える状態を維持できる」 |
| 「ADLの維持・向上を図る」 | 何のADLか・どの程度かが不明 | 「歩行補助具を使用して室内を自力移動できる」 |
| 「意欲向上を促す」 | 評価指標がない | 「週1回のデイサービス参加を継続できる」 |
| NG例 | 問題点 | OK例 |
|---|---|---|
| 「転倒しない」 | 否定形は目標になりにくい | 「安全な移動動作を習得し、転倒なく日常生活を送れる」 |
| 「褥瘡を悪化させない」 | 維持するだけが目標か不明 | 「適切なポジショニングと処置継続により褥瘡の縮小・治癒を目指す」 |
| 「誤嚥性肺炎の予防」 | 医療者視点のみ | 「安全に経口摂取を楽しめる状態を維持する」 |
| 「問題行動の軽減」 | 「問題行動」という表現が不適切 | 「安心して日常生活が送れるよう、混乱を最小限にする」 |
| NG例 | 問題点 | OK例 |
|---|---|---|
| 「清潔が保持できる」 | 利用者の希望が見えない | 「週2回の入浴を継続し、本人が希望する清潔を保てる」 |
| 「栄養状態を改善する」 | 誰にとっての改善か不明 | 「好きなものを食べる楽しみを維持しながら、必要な栄養を摂取できる」 |
| NG例 | 問題点 | OK例 |
|---|---|---|
| 「歩行能力を回復する」(重度片麻痺の利用者) | 現状に即していない | 「車椅子への安全な移乗動作を習得し、室内移動の自立度を高める」 |
| 「認知機能を改善する」(アルツハイマー型認知症) | 改善が見込みにくい | 「現在の認知機能を維持し、穏やかに在宅生活を継続できる」 |
| 課題 | NG目標 | 問題点 | OK目標 |
|---|---|---|---|
| 服薬管理が困難 | 「ADLの維持」 | 課題と目標が無関係 | 「毎日の服薬を正確に実施し、血圧・血糖値を安定して管理できる」 |
| 褥瘡(仙骨部・ステージII) | 「状態が安定する」 | 具体性・方向性がない | 「適切な処置と体位交換継続により、3ヶ月以内に褥瘡の治癒を目指す」 |
以下のテンプレートは記載の参考例です。実際の利用者の状態・生活環境・本人の意向をふまえて必ずカスタマイズしてご使用ください。
対象者プロフィール例:80代女性、アルツハイマー型認知症(中等度)、要介護2、独居、娘が週1回来訪
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
認知機能の低下により、服薬・食事・火の管理などの日常生活行為が困難になりつつあり、独居での安全な在宅生活の継続に支障が生じています。加えて、日常の会話相手が限られており、精神的な孤独感・意欲低下が懸念されます。
支援内容
評価の観点:服薬継続率、体重変動、BPSD(行動・心理症状)の有無、転倒・事故の有無
対象者プロフィール例:75歳男性、レビー小体型認知症(重度)、要介護4、妻と2人暮らし、幻視・夜間不穏あり
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
幻視・夜間不穏などのBPSDが著明で、本人の安全確保と介護者(妻)の身体的・精神的疲弊が懸念されます。あわせて、パーキンソニズムによる転倒リスクが高く、骨折など二次的な健康障害のリスクも存在します。
支援内容
対象者プロフィール例:70代男性、脳梗塞後遺症(左片麻痺)、要介護3、妻・息子と同居、デイサービス週2回利用
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
脳梗塞後の左片麻痺により、移動・入浴・整容等の日常生活動作に介助が必要な状態にあります。さらに、再発予防のための服薬管理・血圧コントロールが継続的な課題であり、廃用予防の観点からの活動維持も欠かせません。
支援内容
評価の観点:血圧値の推移、転倒回数、ADL変化(FIM等)、内服継続率
対象者プロフィール例:65歳男性、脳梗塞後遺症(右片麻痺・失語症)、要介護3、妻と2人暮らし
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
失語症により言語によるコミュニケーションが著しく困難な状態にあり、意思の伝達や日常生活上の不満・苦痛の表現が制限されています。同時に、言語機能への焦りや抑うつ傾向が懸念されます。
支援内容
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対象者プロフィール例:78歳女性、慢性心不全(EF 35%)、要介護2、夫と2人暮らし、心臓専門病院に月1回通院
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
慢性心不全による体液貯留・活動耐性低下があり、日常生活での動作時の息切れや浮腫が生活の質を低下させています。加えて、自己管理(体重測定・服薬・食事・水分制限)の重要性の理解と実践が急性増悪予防の鍵となります。
支援内容
評価の観点:体重変動推移、浮腫の程度、SpO₂値、入院回数(急性増悪)、服薬継続率
対象者プロフィール例:82歳男性、慢性心不全(NYHA IV度)、要介護4、在宅ホスピス希望
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
心不全の進行に伴い、呼吸困難・全身倦怠感・浮腫が増悪しており、日常的なADLが著しく制限されています。本人・家族は在宅での看取りを希望しており、医療チームとの連携のもと苦痛緩和と看取り支援体制の整備が必要な状態にあります。
支援内容
対象者プロフィール例:72歳男性、COPD(GOLD III)、要介護1、妻と2人暮らし、在宅酸素療法中(安静時1L/分・労作時2L/分)
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
労作時の呼吸困難が著明で、入浴・更衣などの日常動作が制限されています。在宅酸素療法の正しい使用と禁煙継続、急性増悪の早期発見が在宅療養継続の鍵となります。そのほか、活動制限による体力低下・気力低下も懸念されます。
支援内容
評価の観点:SpO₂の推移、急性増悪(入院)回数、日常生活活動範囲の変化、在宅酸素の適切使用状況
対象者プロフィール例:66歳女性、大腸がん末期(多発肝転移・腹膜播種)、要介護3、夫と2人暮らし、自宅での看取り希望、別表第7該当
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
がんの進行に伴う疼痛・倦怠感・食欲不振・腸管症状により、日常生活の質が著しく低下しています。本人・家族は自宅での看取りを希望しており、緩和ケアの充実と緊急時対応体制の整備が急務です。あわせて、介護者(夫)の負担増加と精神的苦痛にも配慮が必要な状態にあります。
支援内容
対象者プロフィール例:68歳男性、2型糖尿病(インスリン導入)、要介護1、独居、HbA1c 9.2%
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
インスリン自己注射の手技が不安定であり、血糖管理が不十分な状態にあります。さらに、足の感覚低下(神経障害)があり、傷・壊疽の予防が重要な課題となっています。食事・運動管理に関する知識・習慣の定着も継続的な課題です。
支援内容
評価の観点:血糖値の推移・HbA1c、注射手技の正確性、足部の皮膚・爪の状態、低血糖エピソードの有無
対象者プロフィール例:72歳女性、糖尿病性腎症(G4ステージ、eGFR 20)、要介護2、夫と同居
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
糖尿病性腎症の進行に伴い食事制限(たんぱく質・カリウム・リン)の厳格な管理が必要なため、日常の食事選択が大きく制限されています。加えて、貧血・易疲労感・浮腫などの症状が活動を制限しており、生活の質の低下が懸念されます。
支援内容
対象者プロフィール例:75歳男性、パーキンソン病(Hoehn&Yahr III)、要介護2、妻と2人暮らし、ON-OFFの変動あり
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
ON-OFF現象による運動機能の変動が著明で、OFF時には転倒リスクが著しく高まります。服薬時間と食事タイミングの管理が重要であり、あわせて嚥下障害・誤嚥性肺炎のリスクにも注意が必要な状態にあります。
支援内容
評価の観点:転倒回数、服薬管理の正確性、ON-OFF変動の状況、嚥下障害の有無・程度
対象者プロフィール例:45歳女性、統合失調症(慢性期・残遺状態)、精神科訪問看護、単身生活、デイケア週2回通所
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
服薬管理が不安定で、中断による再発リスクが高い状態にあります。加えて、陰性症状(意欲低下・社会的引きこもり)により生活全般に不活発さがみられ、日常生活の自立度の低下が懸念されます。社会的孤立に伴う精神的な孤独感にも配慮が必要です。
支援内容
対象者プロフィール例:55歳男性、うつ病(中等度)、休職中、妻と同居、希死念慮の訴えあり
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
希死念慮を含む重篤なうつ症状があり、安全確保が最優先の課題です。そのほか、休職中という状況から自己効力感の低下・将来への不安が強く、回復への動機づけの維持が大切な支援課題となっています。
支援内容
対象者プロフィール例:88歳女性、仙骨部褥瘡(DESIGN-R評価 D4/e1s9i0G6n0p0/25点)、要介護5、夫と同居、訪問介護・訪問看護・訪問医同時利用
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
仙骨部に深達性褥瘡(ステージIV相当)が存在し、感染リスクと疼痛管理が重要な課題となっています。自力体位変換が困難な状態にあり、圧迫除去のためのポジショニング管理が継続的に必要です。さらに、低栄養状態が治癒の阻害因子となっており、栄養管理との連携も必要です。
支援内容
評価の観点:DESIGN-Rスコアの推移、創の大きさ・深さ・滲出液量、感染徴候の有無、Alb値・栄養状態
対象者プロフィール例:82歳男性、脳梗塞後遺症(重度寝たきり)、要介護5、ブレーデンスケール12点(ハイリスク)
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
重度の身体機能障害により自力体位変換が不可能な状態で、褥瘡発生のリスクが非常に高いです。失禁による皮膚の湿潤もリスク因子であり、ポジショニング管理・スキンケア・栄養管理の3本柱での褥瘡予防が必要です。
支援内容
褥瘡ケアの具体的な記録方法(DESIGN-R®2020評価・WOCNとの連携・専門管理加算の算定要件)については、「訪問看護 褥瘡ケアの記録の書き方とWOCN連携」をご参照ください。
対象者プロフィール例:8歳男児、先天性筋疾患(脊髄性筋萎縮症タイプII)、気管切開・夜間人工呼吸器使用、在宅療養、両親・妹と同居
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
気管切開と人工呼吸器管理により呼吸状態は維持されていますが、気道感染・人工呼吸器トラブルなどの緊急事態への対応体制の維持が重要な課題です。家族(特に母親)の介護負担が大きく、心身の疲弊が懸念されます。このほか、学校等への社会参加を継続するためのケア体制の整備も必要です。
支援内容
対象者プロフィール例:3歳女児、染色体異常(18トリソミー)、胃ろう栄養管理、在宅酸素療法、両親と同居
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
胃ろうからの経管栄養管理と在宅酸素療法が必要な状態であり、親への医療的ケア技術の習得・維持支援が重要な課題となっています。あわせて、家族全体の介護負担が大きく、きょうだい児への配慮も含めた家族全体へのサポートが必要な状態にあります。
支援内容
対象者プロフィール例:58歳男性、ALS(球麻痺型)、要介護4、気管切開・人工呼吸器管理、TPPV使用、妻と同居、別表第7該当
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
ALSの進行により四肢・球麻痺が著明で、人工呼吸器管理・吸引・経管栄養が必要な状態にあります。コミュニケーション能力の低下が本人のQOLと意思表示に影響しており、AAC(補助代替コミュニケーション)の活用支援も重要な課題です。
支援内容
対象者プロフィール例:84歳女性、大腿骨頸部骨折後(手術後4週)、要介護3、娘夫婦と同居、リハビリ意欲あり
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
大腿骨頸部骨折術後の廃用による筋力・バランス機能の低下があり、転倒・再骨折リスクが高い状態にあります。入院中の活動制限により誤嚥性肺炎・深部静脈血栓症のリスクも念頭に置く必要があります。本人の回復意欲は高く、この意欲を維持しながら安全にリハビリを進めることが重要な課題です。
支援内容
対象者プロフィール例:96歳女性、老衰(Alb 2.0g/dL・Barthel index 10点)、要介護5、長女と同居、本人・家族とも自宅での看取り希望
看護・リハビリテーションの目標
療養上の課題
老衰による全身状態の低下が著明で、嚥下機能低下・誤嚥リスク、褥瘡リスク、感染リスクが高い状態にあります。本人・家族は自宅での看取りを希望しており、苦痛緩和と安楽の確保、家族の精神的サポートと看取り後のグリーフケア準備が重要な課題です。
支援内容
訪問看護計画書は、利用する保険の種別によって様式・記載内容に違いがあります。
| 保険種別 | 使用様式 | 根拠 |
|---|---|---|
| 介護保険 | 別紙様式1(訪問看護計画書) | 指定居宅サービス等基準 |
| 医療保険 | 別紙様式1(同様)※2024年改定で統一 | 保医発0327第6号 |
| 精神科訪問看護 | 別紙様式3(精神科訪問看護計画書) | 保医発0327第6号 |
2024年改定で様式が見直され、介護・医療の様式はほぼ統一されましたが、精神科訪問看護については専用の様式(別紙様式3・4)が引き続き使用されます。
| 項目 | 介護保険 | 医療保険 | 精神科訪問看護 |
|---|---|---|---|
| 作成頻度 | 月1回(原則) | 状態変化時・更新時(月1回が望ましい) | 月1回 |
| 主治医への提供 | 必須(月1回) | 必須(月1回) | 必須(月1回) |
| ケアプランとの整合性 | 必須 | ケアプランがある場合は確認 | 精神科デイケア等との調整が必要な場合あり |
| 専門的アセスメント | ICFモデルの活用推奨 | 医学的アセスメント中心 | GAF尺度・精神症状評価を含む |
| 衛生材料の記載 | 必須(処置がある場合) | 必須(処置がある場合) | 基本的な処置がある場合のみ |
精神科訪問看護計画書(別紙様式3)には、一般の計画書にない以下の特徴があります。
精神科訪問看護の算定については、精神科訪問看護 算定・加算ガイド【2024年改定対応】で詳しく解説しています。
訪問看護ステーションへの実地指導(旧:実地指導)では、計画書に関して以下のような指摘が多く報告されています。
よくある指摘事項TOP10
| 順位 | 指摘事項 | 具体的な問題 |
|---|---|---|
| 1位 | 利用者・家族の同意の未取得 | 説明・署名なしで計画書を実施している |
| 2位 | 目標が抽象的・評価不能 | 「状態安定を維持」「可能な限り」等の評価困難な目標 |
| 3位 | ケアプランとの不一致 | 計画書の目標・サービス内容がケアプランと合致していない |
| 4位 | 計画書と報告書の内容の不整合 | 計画にないケアを実施している・計画した処置の記録がない |
| 5位 | 月次更新の未実施 | 前月の評価なしで同じ計画書を継続使用 |
| 6位 | 衛生材料の記載漏れ・不正確 | 処置をしているが衛生材料の記載がない・量が不正確 |
| 7位 | 主治医への計画書未提供 | 医師への月次提供の記録がない |
| 8位 | 保管期間の不足 | 5年分の保管ができていない |
| 9位 | 作成者・署名の不備 | 担当者名・作成年月日の記載漏れ |
| 10位 | 指示書との不整合 | 計画書の内容が主治医の指示書の範囲を超えている |
参考:東京都福祉局指導監査部「運営指導における主な指摘事項」(令和5年度)
チェック①:同意書の管理
計画書に利用者・家族の署名(または押印)があることを確認してください。月初めに計画書を更新するたびに毎回署名を得るのが原則です。説明した年月日も記録しておきましょう。
チェック②:ケアプランとの整合性
介護保険の場合は、ケアプラン(居宅サービス計画書)の目標・サービス内容と訪問看護計画書の内容が矛盾していないことを確認します。ケアプランが更新された際は計画書も見直します。
チェック③:主治医への提供記録
計画書(と報告書)を主治医へ提供した日付と方法(持参・FAX・郵送等)を記録として残してください。電子記録でも可ですが、提供した事実が確認できることが必要です。
チェック④:目標と評価の対応
毎月の計画書に、前月の目標に対する評価(達成・継続・変更)を必ず記載してください。評価なしに「継続」とだけ書いてある計画書は指摘の対象になります。
チェック⑤:実施した内容との一致
訪問看護記録(記録書II)に記載した内容と計画書の支援内容が一致していることを確認します。計画にないケアを実施した場合は、計画書を更新するか、逸脱の理由を記録に残してください。
チェック⑥:衛生材料の整合性
処置を行っている場合、計画書の衛生材料欄と実際に使用した材料が一致していることを確認します。算定している加算(例:特別管理加算)と計画書の記載が合っているかも確認が必要です。
チェック⑦:指示書の有効期限内かどうか
計画書の計画期間が、主治医の訪問看護指示書の有効期間内に収まっていることを確認します。指示書の期限切れ後も訪問を継続し計画書を作成している場合は、保険請求上の問題となります。
訪問看護の加算の算定要件については、訪問看護 加算一覧【2024年改定対応】介護・医療保険を完全網羅も合わせてご確認ください。
訪問看護計画書と訪問看護報告書は「一対の書類」です。計画書で設定した目標・課題・支援内容に対して、報告書でその結果・評価を記録します。この2つが整合していないと、以下の問題が生じます。
報告書の書き方そのものについては「訪問看護報告書の書き方と疾患別テンプレート」で詳しく解説しています。計画書との整合性を確認しながら、あわせてお読みいただくことをおすすめします。
基本確認項目(毎月必須)
状態変化時の追加確認項目
訪問看護記録書II(日々の訪問記録)と計画書を紐付けるためには、記録書IIの記録が計画書のどの項目に対応するかを意識して書くことが大切です。
SOAP記録との連動
訪問看護の記録はSOAP形式で書くことが推奨されています。計画書との整合性を確保するためには、SOAPのP(Planning)欄に計画書の支援内容を反映させ、O(Objective/Subjective)欄で計画通りの観察・ケアを実施したことを記録します。
SOAP記録の詳細な書き方は、訪問看護のSOAP記録書き方ガイド|コピペOK例文40選と監査対策で解説しています。
推奨される整合性チェックのサイクルは以下のとおりです。
| タイミング | 実施内容 |
|---|---|
| 訪問後(毎回) | 訪問記録が計画書の内容に沿って記載されているか確認 |
| 月末(翌月計画書作成前) | 当月の記録全体と計画書の整合性を管理者がチェック |
| 主治医報告書作成時(月1回) | 計画書・報告書・訪問記録の3点を照合 |
| ケアプラン更新時 | 新ケアプランの内容と計画書の整合性を確認・更新 |
訪問看護計画書は「利用者のための書類」です。法的に説明と同意取得が義務付けられているだけでなく、利用者・家族が計画の内容を理解し、看護の方向性に納得していることが、ケアの質と利用者満足度を高めます。
「形式的に署名を取るだけ」の説明ではなく、「利用者・家族が本当に理解して同意した」状態を目指すことが大切です。
ポイント①:専門用語を日常語に置き換える
計画書に書いた内容をそのまま読み上げるのではなく、利用者・家族が理解できる言葉で説明します。
| 計画書の記載 | 口頭説明の例 |
|---|---|
| 「ADL維持・改善を目指す」 | 「日常生活でできることをなるべく維持していきましょう」 |
| 「バイタルサインの観察」 | 「血圧・体温・脈拍などを毎回測らせていただきます」 |
| 「療養上の課題」 | 「いまの生活で困っていることや気をつけたいことです」 |
| 「誤嚥性肺炎のリスク」 | 「食べ物や飲み物が気管に入ってしまう危険があります」 |
ポイント②:目標は「利用者の言葉」で確認する
「こういう目標でよいですか?」と確認するだけでなく、「〇〇さんはどんな状態になりたいですか?」と聞き、利用者の言葉を目標に反映させることが理想です。目標が利用者の希望と一致していると、モチベーションの維持にもつながります。
ポイント③:「いつでも変更できる」ことを伝える
「この計画書は毎月見直します」「状態が変わったらすぐに計画も変えます」と伝えることで、利用者・家族の安心感が高まります。「決まったことが変えられない」という誤解を防いでください。
ポイント④:家族への説明は別の機会を設ける場合もある
利用者本人に認知機能の低下がある場合、家族への詳細な説明が必要です。ただし、利用者本人を「説明不要」として扱わず、できる限り本人にも理解できる形で伝えることが原則です。
ポイント⑤:疑問・質問への対応を促す
「わからないことや心配なことがあればいつでも聞いてください」という一言を必ず伝えてください。利用者・家族が「聞いていいんだ」と思える雰囲気づくりが大切です。
Q:「この計画書は絶対に守らなければいけませんか?」
「いいえ、計画書はあくまで目安です。体調や生活状況に応じて柔軟に対応しますし、毎月見直します」
Q:「なぜ毎月新しい計画書を作るのですか?」
「毎月の状態の変化に合わせて目標や対応方法を更新するためです。先月の取り組みの評価を踏まえて、今月の計画を立てています」
Q:「主治医の先生にも見せるのですか?」
「はい、主治医の先生に毎月ご報告しています。先生と連携して看護を行っていますので、計画書も共有しています」
訪問看護計画書の運用は、以下の月次PDCAサイクルで管理します。
前月末〜当月1週目
当月初回訪問時または月初め
当月中(毎回の訪問)
月末
| タイミング | 担当者 | 業務内容 |
|---|---|---|
| 月末(25〜31日) | 担当看護師 | 当月評価の記録、翌月計画書の下書き作成 |
| 月末 | 管理者 | 計画書の内容確認・レビュー・承認 |
| 翌月1〜5日 | 担当看護師 | 計画書の最終化、利用者・家族への説明 |
| 翌月5〜10日 | 事務・管理者 | 報告書・計画書の主治医への提供、ケアマネへの共有 |
| 翌月10日まで | 事務 | 保険請求(レセプト)との整合性確認 |
新規利用者の場合は以下の流れで進めます。
ステップ1:主治医から訪問看護指示書を受け取る(有効期間の確認)
ステップ2:初回アセスメント(訪問前の情報収集+初回訪問での観察)
ステップ3:計画書の初版作成(初回訪問後1週間以内が目安)
ステップ4:管理者レビュー・承認
ステップ5:利用者・家族への説明と同意取得
ステップ6:ケアマネジャーへの共有(介護保険の場合)
ステップ7:主治医への提供(初月の報告書と合わせて)
初回のアセスメントでは、現病歴・既往歴・薬歴だけでなく、生活歴・家族背景・本人の希望・住環境を丁寧に聴取することが計画書の質を左右する土台となります。
月の途中で利用者の状態が変化した場合は、以下の対応が必要です。
軽微な変化(バイタルの一時的な変動など):訪問看護記録書IIに記録し、翌月の計画書更新で反映
中等度の変化(新たな症状・ADL変化):計画書の評価欄に変化を記録し、必要に応じて計画書を更新。ケアマネ・主治医への連絡も検討
重大な変化(入院・急性増悪・死亡):即座に主治医・ケアマネに報告。計画書は変化時点の日付で更新し、終了理由(入院・死亡・その他)を記録
訪問看護の2時間ルールや複数回訪問については、訪問看護の2時間ルール:例外ケースと算定ミス防止策も参照してください。
訪問看護師の多くが、計画書作成に多くの時間を費やしているのが現状です。代表的な課題は以下のとおりです。
訪問看護記録・計画書管理システムを導入することで、これらの課題の多くを解決できます。
ポイント①:定型文・テンプレートの活用
疾患別・状態別の療養上の課題・支援内容・目標例を登録しておけば、計画書作成時に呼び出して編集するだけで済みます。ゼロから書く時間を大幅に削減できます。
ポイント②:前月からの引き継ぎ機能
前月の計画書を元に「差分更新」ができるシステムであれば、変わらない部分はそのまま流用し、変更点のみ修正するだけで済みます。
ポイント③:チームでの情報共有
クラウド型のシステムであれば、担当看護師が記録した内容を管理者がリアルタイムで確認・レビューできます。訪問後にステーションへ戻って報告する時間を削減できます。
ポイント④:保険請求との連動
計画書の内容が保険請求(レセプト)情報と自動的に連携するシステムであれば、手入力による転記ミスや整合性チェックの手間を減らせます。
記録業務の効率化については、訪問看護の記録時間を半分にする5つの効率化テクニックで詳しく解説しています。
看護レポ(kango-repo.com) は、LINEベースで記録ができる訪問看護専用のICTシステムです。計画書作成に関して以下の機能を備えています。
ケアプラン(計画書)作成機能
フォームベースで、目標・課題・介入内容・医師指示書情報を入力するだけで計画書を作成できます。印刷機能付きで、利用者への説明・署名取得もスムーズに行えます。
SOAP記録との連動
SOAP形式の訪問看護記録書II準拠の記録機能と計画書機能が連動しており、計画内容に沿った記録を自然に残せる設計になっています。
チーム共有
クラウド管理で複数スタッフがリアルタイムに情報共有できます。担当者が変わった際の引き継ぎもスムーズです。
料金
月5名のステーションなら月額¥3,920から使えます。他社の訪問看護システムが月額2万円以上が多いなか、圧倒的なコスパで導入しやすい選択肢です。
この記事では、訪問看護計画書の書き方について、2024年改定対応から疾患別テンプレート20選、監査対策、報告書との整合性チェック、利用者への説明方法まで網羅的に解説しました。
最後に、計画書作成のエッセンスを整理します。
「療養上の課題」は在宅生活の視点で書く
医療者目線の問題点列挙ではなく、「この人が自宅で生活を続けるための課題」という視点で記載します。
目標はSMART基準で設定する
具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限付きの5つを意識して、評価可能な目標を立ててください。
課題と支援内容を必ず対応させる
療養上の課題に対して、O-P・T-P・E-Pの3つの視点で支援内容を整理することで漏れを防げます。
毎月の評価と更新を確実に行う
前月の目標達成状況を根拠とともに記載し、翌月の計画を立てる月次PDCAを回してください。
計画書・報告書・記録書の整合性を保つ
3つの書類が「一貫した物語」を形成しているかを常に意識してください。
利用者・家族の言葉を目標に反映する
利用者が「自分の計画書」と感じられるよう、希望や思いを丁寧に聞き取ることが大切です。
訪問看護計画書は「書類のための書類」ではありません。利用者一人ひとりの在宅生活を支える看護の羅針盤です。この記事のテンプレートと解説が、皆さんの計画書作成の質と効率を高める一助となれば幸いです。
参考情報
同意が得られない場合も、強制はできません。利用者が計画書の内容や目標に納得していない理由を丁寧に聞き取り、内容を修正することを検討してください。
「計画書を作らないとサービスが受けられない」という説明は誤りです。利用者の意向を尊重しながら、同意を得られるよう対話を重ねることが大切です。同意の取得経過(話し合いの内容・日時)を記録に残しておくことも欠かせません。
署名が困難な場合は、代筆(担当者が本人の名前を書き、「本人代筆・同席にて確認」と追記する)や、家族による代理署名(キーパーソンが署名し関係を明記)で対応できます。
本人が署名できない理由も記録に残しておくと、監査での説明がスムーズになります。
医療保険の場合、計画書は月1回、報告書とセットで主治医に提供することが定められています(保医発0327第6号)。提供方法(FAX・郵送・持参等)の指定はありませんが、提供した事実を記録で確認できることが必要です。
実務上は、月次報告書の作成に合わせて同時に提供するステーションが多いです。
はい、医療保険の場合でも計画書の作成は義務です。ケアプランがない場合は、計画書のみが訪問看護の根拠書類となりますので、より丁寧な記載が大切です。
主治医の指示書の内容と整合性を保つことが特に大切です。
法令上、説明と同意の方法は明示されていませんが、「面接・口頭説明の上、署名」が原則とされています。遠方の家族への郵送・メールは現実的な対応ですが、必ず「説明日・説明方法・同意取得日」を記録に残してください。
電話で内容を説明し、後日郵送で署名を受け取る方法も実務上は認められています。
指摘を受けた場合は、指摘された計画書の目標・課題を具体的に書き直すことが最善の対応です。あわせて、ステーション内で計画書の書き方の研修・勉強会を実施し、同様の問題が再発しないよう手順書や記載例を整備することを推奨します。
指摘内容には必ず文書で回答し、改善計画を提出してください。
計画書を手元に持参しなかった場合でも、計画書自体がステーションに存在し作成されていれば問題ありません。ただし、訪問当日に計画書が未作成の場合は、事後的に速やかに作成し、利用者・家族の同意を得る必要があります。
ICTシステムを利用すれば、スマートフォンやタブレットからいつでも計画書を確認できます。紙の持参忘れというリスクを減らすためにもICT化が有効です。
まず「課題を1つに絞る」ことから始める
初めて計画書を書く際は、あれもこれもと複数の課題を詰め込まず、最も重要な1つの課題に絞って書くことから始めてください。
「この利用者さんが今一番困っていることは何か?」という問いに答える形で課題を1つ書き、その課題に対して支援内容を3〜5項目書く、という基本パターンから始めてみてください。
先輩・管理者の計画書を参考にする
同様の疾患・状態の利用者に対して、先輩や管理者がどのように計画書を書いているかを参考にしてください。「見る・真似る・考える」のサイクルで技術を習得します。
「訪問後に5分で更新」のルーティンをつける
計画書は月末にまとめて書くより、毎回の訪問後に「前回からの変化・追加すべきことはないか」を5分確認するルーティンをつけると、月末の作業量が減ります。
「なぜこの目標か」を言語化できるようにする
中堅看護師に求められるのは、目標設定の根拠を言語化できることです。「この利用者の短期目標を『体重±2kg以内』にしたのは、前月に3kg増加して緊急受診したという経験があるから」というように、目標の背景を説明できるレベルを目指してください。
後輩への指導も意識する
自分が書く計画書が後輩のモデルになります。「なぜこう書いたか」の思考過程を言語化しながら指導できると、ステーション全体の計画書の質が上がります。
計画書のレビューは「内容の妥当性」と「記載の適切性」の両方を見る
管理者のレビューは、形式チェック(記載漏れ・署名の有無)だけでなく、「この課題設定と目標は利用者の実態を反映しているか」「支援内容は現場で実際に実施可能か」という内容の妥当性まで見てください。
ステーション共通のテンプレートを整備する
主要な疾患・状態別のテンプレート(療養上の課題・支援内容の文例集)をステーション内で整備すると、スタッフの計画書作成の質と速度が向上します。この記事の疾患別テンプレートをベースに、自施設の実情に合わせてカスタマイズしてください。
月1回の計画書カンファレンスを実施する
月1回、事例を取り上げて計画書の内容をチームで検討するカンファレンスを実施すると、チーム全体のアセスメント力と記載力が向上します。「この計画書のここが良い」というポジティブフィードバックも大切にしてください。
2026年現在、訪問看護業界でもICT化・DX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいます。計画書作成においても、以下のような技術的進化が見られます。
AI補助による文例自動生成
疾患名・状態・アセスメント内容を入力すると、AIが療養上の課題・支援内容・目標の候補を自動生成するシステムが登場しています。看護師が全文を書く必要がなくなり、「AIが生成した文章を看護師が確認・修正する」というワークフローへの移行が進んでいます。
ただし、AIが生成した文章をそのまま使用することは推奨されません。利用者の個別性・生活の具体的な状況は、AIには把握できないためです。AI生成を「たたき台」として使い、必ず看護師が実態を踏まえて修正することが原則です。
多職種間での計画書共有
医師・ケアマネジャー・訪問介護事業所・デイサービス等との間で、計画書を電子的に共有する仕組みが整備されつつあります。紙の郵送・FAXに頼らず、クラウドシステムを通じて関係者全員がリアルタイムで計画書を閲覧できる環境が整えば、連携の質が大きく向上します。
2026年診療報酬改定の計画書への影響
2026年(令和8年)6月の診療報酬改定では、ICT加算(医療情報連携加算)の新設など、ICT活用を促進する改定が行われています。電子的な計画書の共有・提供体制を整えることで、新たな加算の算定要件を満たしやすくなる可能性があります。
最新の改定情報については、2026年診療報酬改定 訪問看護への影響と管理者の対応策を参照してください。
現在は各ステーションの裁量に委ねられている計画書の「質」について、標準的な評価指標の開発が進められています。将来的には、計画書の内容が利用者の在宅生活の質(QOL)や再入院率等のアウトカム指標とどう関連するかを測定・フィードバックする仕組みが整備される可能性があります。
このような流れを見据えると、今から「評価可能な目標設定」「アウトカム指標との紐づけ」を意識した計画書作成を習慣づけておくことが、将来のステーション運営においても重要です。
対処法:以下の5つの切り口でアセスメントすると、課題が整理しやすくなります。
この5つの視点で情報を整理したうえで、「在宅生活の継続にとって一番重要な課題は何か」を絞り込んでください。
対処法:「〇〇という課題があるから、△△という目標を設定する」という文章でつなげてみてください。
例:「服薬管理が困難なため血圧コントロールが不安定という課題があるから、毎日の服薬を正確に実施し収縮期血圧140mmHg以下を維持できるという目標を設定する」
この文章が自然につながれば、課題と目標の対応関係が正しい証拠です。
対処法:O-P・T-P・E-Pの3分類を使ってください。「観察する」「ケアする」「指導する」の3つに分けて書くことで、実施内容が具体的になります。
特にO-P(観察)は、「何を・どのような指標で・どの頻度で観察するか」まで書くと具体性が増します。「バイタルサインの観察」→「血圧・体温・脈拍・SpO₂を毎訪問時に測定し、基準値(血圧140/90mmHg以上で報告等)を確認する」のように書き換えてみてください。
対処法:こう考えてください。
長期目標は「方向」、短期目標は「この月の到達点」と考えると整理しやすくなります。
対処法:毎月の評価欄を「変わったこと」から書き始めると、計画の更新点が明確になります。
「先月と比較して〇〇の点で改善が見られた(または悪化した・変化なし)。このため今月の短期目標は〇〇に変更する(または継続する)」という書き方をすることで、評価に根拠が生まれます。
全く変化のない利用者であっても「変化なしの根拠」(測定値・観察内容)を記載してください。根拠なく「継続」と書いてあるだけでは評価とはみなされません。
計画書の支援内容を充実させるために、O-P・T-P・E-Pそれぞれの具体的な内容について詳しく解説します。
O-Pでは、次の訪問時までに何を観察・測定・確認するかを記載します。
観察すべき5つの領域
| 領域 | 具体的な観察項目(例) |
|---|---|
| バイタルサイン | 血圧・脈拍・体温・SpO₂・呼吸数 |
| 症状・自覚症状 | 疼痛(NRS)・倦怠感・浮腫・呼吸困難感 |
| ADL・生活状況 | 移動能力・食事摂取量・排泄状況・睡眠状況 |
| 精神・認知 | 表情・意欲・認知機能・コミュニケーション |
| 家族・環境 | 介護者の状態・住環境の安全確認 |
O-Pは「何を見るか」だけでなく、「どのような状態なら報告・対応が必要か」という基準値も合わせて記載できると、スタッフ間の判断が統一されます。
直接的なケアや処置の内容を記載するのがT-Pです。
T-Pに含まれる主な内容
T-Pは「実施する」という動詞で終わる形で記載すると、具体的なケア内容が明確になります。
E-Pでは、利用者・家族への教育・指導・説明の内容を記載します。
E-Pに含まれる主な内容
E-Pは「〇〇について説明する」「〇〇の方法を指導する」という形で記載すると、「何を教えるか」が明確になります。
訪問看護計画書の書き方は、一朝一夕に習得できるものではありません。しかし、この記事で紹介した基本原則・疾患別テンプレート・チェックリストを活用することで、計画書の質を着実に高めていくことができます。
日々の訪問看護の実践を通じて、利用者一人ひとりに合った「生きた計画書」を作り続けてください。皆さんのステーションの利用者が、住み慣れた自宅で安心して暮らし続けられるよう、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
計画書の質を支えるのは、日々の記録の質です 看護レポは、LINEで記録を入力するだけでSOAP形式の看護記録が自動作成され、請求データ(国保連CSV)まで一括出力できます。記録業務の負担を減らし、計画書の見直しに集中できる環境を作りませんか。 → 看護レポを無料で試してみる
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