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訪問看護報告書の書き方と疾患別テンプレート

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看護レポ編集部
2026年3月26日31分で読める
訪問看護報告書の書き方と疾患別テンプレート

この記事のポイント

  • 訪問看護報告書とは?法的根拠と基本知識
  • 訪問看護報告書の記載項目と様式の種類
  • 【2024年改定】変更点と実務への影響

毎月の訪問看護報告書の作成に、どれほどの時間をかけていますか?

「何を書けばよいかわからない」「医師から内容が薄いと言われた」「計画書と報告書の整合性が取れていないと監査で指摘された」——現場からはこうした声が絶えません。訪問看護報告書は、月1回提出するだけの義務的な書類ではありません。主治医への情報伝達・連携強化・ケアの質担保・監査対策のすべてが凝縮された、在宅看護の要となる文書です。

この記事では、2024年(令和6年)改定に完全対応した訪問看護報告書の書き方を、以下の切り口で徹底解説します。

  • 疾患別テンプレート15選(認知症・脳梗塞・心不全・COPD・がん末期・糖尿病など)
  • 医師に伝わる書き方のコツ(NG例→OK例の書き換えパターン付き)
  • 計画書との整合性チェック方法(監査対策にも直結)
  • 報告書作成の時短テクニック(AI活用を含む)
  • 監査・運営指導で指摘されるポイントと対策
  • 月次報告書と訪問看護情報提供書の違い

現場で即使えるコピペ対応の例文を多数掲載しています。ぜひ最後まで読んで、報告書の品質と効率を同時に高めてください。


1. 訪問看護報告書とは?法的根拠と基本知識

訪問看護報告書の定義

訪問看護報告書とは、訪問看護ステーションが利用者に提供した訪問看護の内容と、利用者の状態を主治医に報告するための文書です。利用者の病状経過・実施したケア・使用した衛生材料の状況などを月単位でまとめ、主治医に提供します。

単なる「報告」ではなく、在宅と病院・診療所をつなぐ情報連携の核です。主治医はこの報告書を読んで、訪問看護指示書の継続・変更・追記を判断したり、次の診察時の問診に活かしたりしています。報告書の質が低ければ、連携の質も下がります。

法的根拠

訪問看護報告書の作成・提供は、法令で義務づけられています。

医療保険の場合

「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(平成12年老企第55号)」および「保医発0327第2号(令和2年3月27日)」に基づき、訪問看護ステーションは月1回、訪問看護計画書および訪問看護報告書を主治医に提供することが義務づけられています。

(参照:厚生労働省「保医発0327 第2号」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000613544.pdf)

介護保険の場合

「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生省令第37号)」第70条に基づき、介護保険においても報告書の作成・主治医への提供が必要です。加えて、ケアマネジャーへの写しの提供も一般的に行われます。

誰が作成するのか

訪問看護報告書は、担当の看護師・保健師・助産師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が作成します。管理者がすべて作成するのではなく、実際にサービスを提供した担当者が主体的に作成することが原則です。

ただし、管理者には「計画書・報告書の内容について十分な確認・管理を行う責任」があります。署名欄に管理者名が必要な場合は、内容を確認したうえで記名・押印してください。

いつ・どこに提出するのか

提出先

  • 主治医(訪問看護指示書を交付した医師):必須
  • ケアマネジャー(介護保険の場合):写しを提供するのが一般的
  • 利用者・家族:説明義務はありますが、交付義務は法令上明記されていない場合が多い

提出タイミング

提出の明確な期日は法令上定められていませんが、翌月の訪問看護指示書の更新・継続を主治医が判断するために、月末または翌月初旬に提出するのが一般的です。電子送付・持参・FAXのいずれも可とされていますが、FAXの場合は受信確認を記録に残してください。

提出頻度

月1回が原則です。ただし、利用者の病状に大きな変化があった場合や、主治医から追加報告を求められた場合は、随時報告を行うことが望ましいです。

訪問看護報告書が重要な理由

報告書は「義務だから作る書類」ではありません。以下の理由から、積極的に活用すべきツールです。

①主治医との連携強化

在宅の様子は、外来診察だけでは把握できません。報告書に日常生活の変化・バイタルトレンド・介護者の疲弊状況などを記載することで、主治医の治療判断をサポートします。「訪問看護師から見た利用者像」を共有することで、医療・看護の連携が深まります。

②ケアの質担保

計画書に書いた目標・支援内容が実際に実施されたかどうかを記録することで、PDCAサイクルが回ります。「書いたけど実施していない」「実施したけど書いていない」のどちらも、ケアの質低下につながります。

③監査・運営指導への対応

訪問看護ステーションに対して行われる運営指導(旧:実地指導)では、報告書の記載内容と計画書・SOAP記録の整合性が厳しく確認されます。記載が不十分だと指導・返戻の対象になります。

④レセプト請求の根拠

報告書に記載した衛生材料の使用量・医療処置の実施状況は、レセプト請求の根拠となります。実態と乖離した記載は、過誤請求・不正請求のリスクに直結します。


2. 訪問看護報告書の記載項目と様式の種類

様式の種類

訪問看護報告書の様式は、保険種別・対象者によって異なります。

様式 対象 根拠通知
医療保険用 医療保険適用の利用者全般 保医発0327第2号(令和2年)
介護保険用 介護保険適用の利用者 老企第55号(平成12年)
精神科訪問看護用 精神科訪問看護指示書に基づく利用者 保医発0327第2号 別紙様式
別添様式 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問する利用者(介護保険) 令和3年改定で義務化

厚生労働省が定める様式はあくまで「標準様式」であり、各ステーションが独自に様式を作成することも認められています。ただし、必要記載項目は省略できません。

医療保険用報告書の記載項目

医療保険における訪問看護報告書の主な記載項目は以下のとおりです。

基本情報欄

  • 利用者の氏名・生年月日・住所
  • 主たる傷病名(主病名)
  • 訪問看護ステーション名・管理者名
  • 訪問看護師(担当者)の氏名
  • 報告対象期間(年月)
  • 主治医の氏名・医療機関名

訪問状況欄

  • 訪問日の一覧(カレンダー形式または日付リスト)
  • 訪問した職種(看護師・PT・OT・ST等)
  • 訪問回数の合計

病状の経過欄

  • 当該月における病状の推移・変化
  • バイタルサインの動向(平均値・最高値・最低値など)
  • 特記すべき状態変化・緊急対応の有無

看護の内容欄

  • 実施した看護・医療処置の内容
  • 家族・介護者への指導内容
  • 多職種連携の内容(ケアマネ・医師との連絡等)

衛生材料等に関する欄

  • 使用した衛生材料の名称・規格
  • 月間使用量
  • 処置の内容(ガーゼ交換・褥瘡処置等)

特記事項欄

  • 緊急訪問の有無
  • 入院・通院の状況
  • 計画変更の必要性

介護保険用報告書の記載項目

介護保険の場合、基本的な構成は医療保険と同様ですが、以下の点が異なります。

  • 介護保険の保険者番号・被保険者番号
  • 認定有効期間
  • 要介護度
  • ケアプランとの整合を示す内容(療養上の課題との対応関係)
  • 別添(リハ職が訪問する場合)

精神科訪問看護報告書の記載項目

精神科訪問看護の場合は、一般の訪問看護報告書に加えて以下の項目が含まれます。

  • 精神症状・行動障害の状態
  • 日常生活動作の評価(GAF尺度などの評価指標)
  • 薬物療法の状況(服薬コンプライアンス・副作用の有無)
  • 家族・介護者の状況
  • 地域生活継続のための支援内容

3. 【2024年改定】変更点と実務への影響

令和6年(2024年)改定の主な変更点

2024年(令和6年)の診療報酬・介護報酬の同時改定において、訪問看護の書類関係でも複数の変更がありました。現場実務に直結する変更点を整理します。

①「問題点」から「療養上の課題」への名称変更

2024年改定で、訪問看護計画書・報告書の記載項目名が変更されました。

改定前(令和5年まで) 改定後(令和6年~)
問題点 療養上の課題
看護目標 支援内容・評価(記載の充実を求める)

「問題点」という表現は、利用者を「問題のある存在」として捉えるニュアンスがあるとして変更されました。「療養上の課題」という表現に変わったことで、在宅で生活を続けるうえで何を解決・支援する必要があるのかという視点での記載が期待されています。

実務上の変更点としては、単に「食欲低下」「転倒リスク」と問題列挙するのではなく、「食欲低下により必要カロリーが摂取できず、体重減少・全身状態悪化が懸念される」といった課題の文脈と支援の方向性をセットで記載することが大切です。

(参照:ZEST「訪問看護計画書と報告書の書き方」)

②リハ職の別添記載の定着化

令和3年改定で義務化されたリハ職による別添様式が、2024年改定でさらに内容充実が求められるようになりました。特に「看護職員との連携状況」の記載は、看護師とリハ職が連携して内容を確認・共有したことを証明するものとして重視されています。

(参照:GemMed「リハビリ専門職による訪問看護、計画書や報告書などに詳細記載を」 https://gemmed.ghc-j.com/?p=39281)

③退院時共同指導加算の文書要件緩和

2024年改定で、退院時共同指導の文書提供方法が「文書以外の方法(電子情報等)」でも可とされました。報告書や計画書の送付・共有においても、電子送付の活用が進んでいます。

④衛生材料の記載の明確化

使用量・処置内容の記載について、「必要量は1ヶ月間に必要となる量を記入すること」という運用が改めて強調されました。実際の使用量と指示量が乖離していると監査での指摘対象になります。

実務で押さえるべきポイント

2024年改定を受け、現場で即対応すべき実務ポイントは以下のとおりです。

  1. 「問題点」欄を「療養上の課題」欄に更新する:使用している様式が改定前のままであれば早急に更新してください
  2. 課題の文脈を明確に書く:「〇〇の状態があり、△△のリスクがある」という文脈で記載する
  3. リハ職の別添は看護師と共有して作成する:別々に書いて後でつなげるのではなく、内容を共有してから作成する
  4. 電子送付の場合は送信・受信確認を記録する:メール送付であれば送信履歴を保存する

4. 医師に伝わる報告書の書き方:NG例→OK例で学ぶ

医師が報告書に何を求めているか

訪問看護報告書を受け取る主治医の立場から考えてみましょう。医師は多くの患者を抱え、外来診察・入院管理・書類業務をこなしながら報告書を読みます。1枚の報告書を読む時間は、長くても数分です。

医師が報告書から知りたい情報は、主に以下の4点です。

  1. 先月と比べて状態が変化したか(良くなった・悪くなった・変化なし)
  2. 指示通りにケアが実施されているか(褥瘡処置・点滴管理・服薬状況など)
  3. 指示書の変更・追記が必要な事態が発生していないか(新たな症状・処置の追加など)
  4. 在宅生活を継続できる状態か(介護力・環境・緊急リスクの有無)

この4点が明確に伝わる報告書こそ、医師にとって「使える報告書」です。

(参照:カーネル「医師に聞いた、訪問看護報告書の効果的な書き方」)

NG例→OK例:病状の経過欄

NG例①:情報の羅列で変化が見えない

「バイタル測定実施。体温36.5℃、血圧138/84mmHg、脈拍72/分、SpO2 97%。清拭・陰部洗浄実施。足浴実施。服薬確認。食事摂取確認。」

→問題点:何を実施したかは書かれていますが、状態の変化が全く伝わりません。毎月同じ内容になりやすく、医師が「異常がなかった」のか「変化を把握していない」のかも判別できません。

OK例①:変化の有無と文脈を明記する

「月前半は安定した経過であったが、第3週より食欲低下が顕在化し、摂取量が通常の約50%に低下した。体重は月初1kg減少(52.0→51.0kg)。元気消失・傾眠傾向も見られ、脱水の可能性を考慮し主治医に電話報告(〇月〇日)、経口補水液の摂取を指示いただき実施した。月末には食欲は部分的に回復し、摂取量は70%程度に改善している。」

→改善点:①変化のタイミングが明確になっています、②数値で変化を示しています、③自分たちが取った対応が書かれています、④主治医への連絡済みであることが記録されています。

NG例②:専門用語・略語が多く読みにくい

「COPDによりSOB著明。ADL低下あり。IADLはほぼ全介助。SpO2は労作時80台まで低下。」

→問題点:略語の使いすぎで読みにくくなっています。特に連携する主治医以外(ケアマネ・記録を見返す自分たち)には理解しにくい内容です。

OK例②:略語を補足し文脈を与える

「COPD(慢性閉塞性肺疾患)により息切れが強く、歩行・排泄動作などの日常生活動作で酸素飽和度が80%台まで低下する場面が複数回確認された。労作前後でのSpO2値の変化を記録し、在宅酸素の流量調整の必要性を主治医に情報提供した。」

NG例③:問題を列挙するだけで支援内容がない

「口腔内乾燥あり。浮腫あり。不眠あり。食欲不振あり。」

→問題点:状態の羅列だけで、看護師が何をしたのかが全く書かれていません。「観察しただけ」「何もしなかった」と読まれる可能性があります。

OK例③:観察→判断→対応の流れを書く

「口腔内乾燥については、口腔ケア実施時に保湿剤(口腔保湿ジェル)を使用し、1日2回以上のうがいを指導した。下肢浮腫(足首周径左30cm・右31cm)については弾性包帯の巻き方を介護者に再指導し、就寝時の下肢挙上を継続している。不眠については家族から入眠まで1~2時間かかると聴取し、日中活動量の増加(短時間の散歩)を介護者と相談し取り組み始めた。」

NG例→OK例:衛生材料欄

NG例④:量が不明確

「ガーゼ適宜使用。創傷処置実施。」

→問題点:使用量が不明です。レセプト請求の根拠になりません。監査で指摘される典型的なパターンです。

OK例④:処置内容と使用量を具体的に記載

「左踵部褥瘡処置:4×4cmガーゼ(Wサイズ)週3回×4週=12枚使用。処置内容:生食洗浄後、ハイドロコロイドドレッシング(デュオアクティブET)貼付。月間使用量:ガーゼ12枚、デュオアクティブET(8×8cm)12枚、生理食塩水20mL×4本。」

NG例→OK例:特記事項欄

NG例⑤:緊急対応の記録が不十分

「緊急訪問1回あり。対応した。」

→問題点:いつ・なぜ・何をしたかが不明です。「対応した」だけでは医師が状況を判断できません。

OK例⑤:緊急対応は5W1Hで記録

「〇月〇日(日)22:30、家族より「発熱して意識がおかしい」と緊急コールあり。訪問時、体温38.9℃、SpO2 93%、意識レベルJCS Ⅰ-3。主治医に電話報告し、翌朝外来受診を指示いただく。ご家族に対応方法・受診時の注意事項を説明した。翌日外来受診後、抗菌薬処方あり。翌々日訪問時には解熱し、SpO2 97%に改善を確認した。」


5. 項目別の書き方ガイド

病状の経過欄の書き方

病状の経過欄は、報告書の中で最も重要な項目です。主治医が最初に読む部分であり、「今月どうだったか」を伝える核心です。

基本構造(SOAP的アプローチ)

病状の経過欄も、SOAP記録と同様の思考プロセスで書くと整理しやすくなります。

  1. S(主観的情報):利用者・家族から聞いた内容(「食欲がない」「眠れない」等)
  2. O(客観的情報):バイタル・体重・観察所見の数値・趨勢
  3. A(評価・判断):状態の変化についての看護師としての評価
  4. P(計画・対応):実施したケア・指導・医師への連絡内容

(参照:SOAP記録の詳細な書き方は「訪問看護のSOAP記録書き方ガイド」を参照してください)

月全体の流れを時系列で書く

「病状の経過」なので、月初~月末の時系列で変化を書くことが基本です。以下のような構成が読みやすいです。

月前半(第1~2週):基本的に安定した経過。主な観察所見を記載。
月中盤(第3週前後):変化があった場合はここで詳述。
月後半(第4週):変化後の経過・対応効果を記載。
月全体の評価:前月比での状態変化のサマリー。

バイタルは数値で書く

「バイタルは安定していた」だけでなく、具体的な数値の範囲を記載してください。

例:「血圧は120~148/70~88mmHgの範囲で経過。月後半に148/90mmHgを記録する日が2日あったため、服薬時間の変更について主治医に相談した。」

看護の内容欄の書き方

看護の内容欄では、実際に実施したケアの内容と、家族・介護者への指導内容を記載します。単なる処置の列挙ではなく、「なぜそのケアを実施したのか」という根拠・目的も含めると、主治医に伝わる報告書になります。

ケアカテゴリ別の記載例

ケアカテゴリ 記載例
バイタル測定 「毎回訪問時に体温・血圧・脈拍・SpO2を測定し、変化の有無を記録。異常値の判断基準を家族と共有。」
創傷処置 「右踵部褥瘡(Stage2)の処置を週3回実施。洗浄・ドレッシング材交換、周囲皮膚の状態確認。」
服薬管理 「一包化薬の服薬確認を毎回実施。飲み忘れがある場合は薬剤師に連絡して対応。」
リハビリ支援 「PTの訪問日以外にも、看護師訪問時に立位訓練・歩行補助を実施。転倒予防の観点から環境確認も実施。」
家族指導 「床ずれ予防のための体位変換方法を家族に再指導。2時間ごとの体位変換が困難な場合の応急対応も説明。」
精神的支援 「在宅での不安・孤独感について傾聴。緊急時の連絡先を再確認し、不安軽減に努めた。」

衛生材料等に関する欄の書き方

衛生材料等の欄について、請求の根拠となる重要な記載項目のため、漏れなく・正確に記載することが必要です。

記載項目

  • 処置の内容(どの部位・どのような処置か)
  • 衛生材料等の名称と規格(商品名または一般名)
  • 月間使用量(「1ヶ月間に必要となる量」として記載)

記載例

処置の内容:胃瘻周囲スキンケア・ガーゼ交換(週2回)
衛生材料等:
 ・ガーゼ(4×4cm、Mサイズ):8枚/月
 ・生理食塩水(20mL):4本/月
 ・撥水性保護クリーム(メディカルクリーム):適宜使用
 ・医療用テープ(3M マイクロポア):1巻/月

注意事項

  • 実際に使用した量と記載した量が一致していることを確認する
  • 主治医の指示書に記載されていない処置・材料を記載する場合は、主治医に確認・指示を得る
  • 「適宜使用」「少量」などの曖昧な表現は避け、可能な限り数量を具体的に記載する

(参照:カイポケ訪問看護マガジン「訪問看護報告書の書き方とは?」)


6. 【疾患別テンプレート15選】コピペで使える文例集

以下のテンプレートは、各疾患の典型的な経過を想定した記載例です。実際の利用者の状態に合わせて数値・内容を修正してから使用してください。

テンプレート1:認知症(アルツハイマー型)

利用者像:80代女性、アルツハイマー型認知症(中等度)、要介護3、独居(日中は娘が訪問)

病状の経過欄

今月も認知症の基本的な症状(短期記憶の低下・見当識障害)は変わらず経過した。月初は日中の活動性が保たれていたが、第3週より日中傾眠が増加し夜間の不眠・興奮が見られるようになった。娘から「夜中に大声を出して起き上がる。昼夜逆転しているようだ」と相談を受け、日中の促し活動(折り紙・歌)を増やすよう指導した。月末には夜間の大声は週2~3回程度に減少し、娘の睡眠も確保できるようになってきている。排泄については、トイレ誘導を毎回訪問時に実施し、失禁の頻度は月初より減少している(月初10回→月末5回程度)。

看護の内容欄

バイタル測定(体温・血圧・脈拍)、皮膚状態確認(褥瘡・皮膚乾燥)、トイレ誘導・排泄介助、服薬確認(抗認知症薬・睡眠薬)、口腔ケア実施。娘に対し、BPSD症状(夜間の不穏)への対応方法と、「怒らず・急かさず・否定しない」コミュニケーション方法を指導した。地域包括支援センターおよびケアマネジャーと現状を共有し、デイサービス利用回数増加について相談した。

療養上の課題(特記事項)

BPSD症状の悪化による介護者の疲弊が懸念される。昼夜逆転の改善のための日中活動量確保と、レスパイトケア(ショートステイ等)の活用について、次月のサービス担当者会議で検討する予定。

(参照:とあるコメディカル「【認知症】訪問看護報告書の記載例・文例集」)


テンプレート2:脳梗塞後遺症(片麻痺)

利用者像:70代男性、脳梗塞後遺症(左片麻痺、中等度)、要介護2、妻と2人暮らし

病状の経過欄

今月の血圧は120~145/70~88mmHgの範囲で経過し、先月の高値傾向(最高156/94mmHg)は改善した。塩分制限の指導が徹底され、妻からも「味付けを変えた」との報告を得た。左上下肢の筋緊張は変化なく、PTによるリハビリ(週2回)と、看護師訪問時の自主訓練確認を組み合わせて実施している。今月は転倒が1件あり(浴室での立ち上がり時)。打撲はなかったが、浴室の手すりの位置について福祉用具事業者・ケアマネと検討することとなった。嚥下については咳込みの頻度が増加傾向にあり(週2~3回)、次月に嚥下評価を実施する予定。

看護の内容欄

バイタル測定(血圧は毎回左右両側で測定)、麻痺側皮膚状態確認、自主訓練の確認と修正(PTと情報共有済み)、服薬確認(抗血栓薬・降圧薬)、嚥下機能確認(食事摂取観察)。妻に対し、血圧管理の重要性・塩分制限の具体的調理法・転倒時の対応方法を継続指導。


テンプレート3:慢性心不全

利用者像:80代女性、慢性心不全(NYHA class III)、要介護2、夫と2人暮らし

病状の経過欄

今月の体重管理では、月前半は基準体重(48.0kg)±1kg以内で安定して経過した。しかし第3週(〇月〇日)より体重が3日連続で+2.5kg以上(最高51.2kg)増加し、同時に両下肢浮腫の増悪(足首周径:右26cm→29cm、左26cm→30cm)と労作時息切れの増強を確認した。主治医に電話報告し、利尿薬(フロセミド)の頓服追加指示を得て実施した。3日後に体重は49.1kgに減少し、浮腫も軽減した。月末の体重は48.5kgで経過している。夜間の起座呼吸・発作性夜間呼吸困難の有無を毎回確認し、今月は1件も報告されていない。

看護の内容欄

毎回訪問時に体重測定・下肢浮腫確認・SpO2測定・呼吸状態確認を実施。「体重が2日連続で+2kg以上増加したら受診・連絡する」ルールを夫と再確認。服薬確認(利尿薬・ACE阻害薬・β遮断薬)。塩分・水分制限の指導(1日塩分6g未満・水分1.0L以内)を毎回実施。心不全増悪時の緊急連絡先・受診タイミングについて夫へ繰り返し説明。

特記事項

利尿薬頓服使用歴:〇月〇日~〇日(3回使用)。次月の外来受診時に今月の経過を医師に報告するよう夫に依頼済み。


テンプレート4:COPD(慢性閉塞性肺疾患)

利用者像:70代男性、COPD(GOLD分類 III度)、要介護1、妻と2人暮らし、HOT(在宅酸素療法)使用中

病状の経過欄

今月の安静時SpO2は93~96%で経過しました。労作時(トイレ歩行・入浴動作)では88~91%まで低下する場面が複数回確認されました。活動前後のSpO2変化を記録し、労作時の在宅酸素流量増量(安静時1.0L→労作時2.0L)の必要性について主治医に情報提供しました。呼吸リハビリとしてリップブリージング・ハフィングの実施状況を毎回確認し、正しい方法で実施できていることを確認しています。今月の感染兆候(痰の増加・発熱・呼吸困難増強)はなく経過しました。喫煙は妻の報告では1日2本程度に減少しており、禁煙外来への受診を引き続き勧奨しています。

看護の内容欄

呼吸状態観察(安静時・労作時SpO2測定、呼吸音聴診)、在宅酸素療法の管理確認(酸素濃縮器の作動確認・使用記録確認)、呼吸リハビリ指導(口すぼめ呼吸・横隔膜呼吸・ハフィング)、排痰援助(体位ドレナージ)、服薬確認(LAMA・LABA吸入薬・吸入指導)。妻に対し、急性増悪の徴候(痰の色・量の変化、38℃以上の発熱、安静時呼吸困難の増強)の観察ポイントと緊急受診のタイミングを指導。


テンプレート5:がん末期(緩和ケア)

利用者像:60代女性、大腸がん末期(肝転移・腹膜播種)、医療保険(別表第7)、夫と2人暮らし、自宅療養希望

病状の経過欄

今月初旬はPS(パフォーマンスステータス)2で、車椅子移動は可能な状態であった。第2週より全身倦怠感の増強と食欲低下が顕在化し、経口摂取量が通常の約30%程度に減少した。月中盤(〇月〇日)より疼痛のコントロールが困難になり、オキシコドン定期内服量の増量(20mg→40mg/日)について主治医に情報提供、指示を得て対応した。増量後は痛みのNRS(数値評価スケール)が8→4程度まで改善し、本人より「少し楽になった」との発言を確認した。第4週よりPS3に移行し、寝床での過ごす時間が増加している。夫は「妻の希望通り自宅で看取りたい」と意思を確認しており、訪問診療・訪問介護との連携を強化している。

看護の内容欄

疼痛評価(NRS・表情観察)、オピオイド管理(内服確認・副作用観察:便秘・悪心・眠気)、輸液管理(CVポート維持管理)、褥瘡予防(体位変換・除圧マットレス確認)、口腔ケア(乾燥・カンジダ予防)、家族の精神的サポート(傾聴・グリーフケア導入)。緊急連絡体制の確認(訪問診療・当ステーション24時間対応)。夫に対し、エンドオブライフケアの具体的なサポート方法・看取り時の対応について繰り返し説明。


テンプレート6:糖尿病(足病変あり)

利用者像:70代男性、2型糖尿病(インスリン療法)、糖尿病性神経障害・末梢動脈疾患あり、要介護1

病状の経過欄

今月の血糖コントロールは、空腹時血糖120~180mg/dLの範囲で経過した。HbA1cは先月の外来で7.8%(前回8.1%から改善)。インスリン(ノボリン30R:朝12単位・夕10単位)の自己注射は毎回確認し、手技は適切に実施できている。左第1趾の潰瘍については、週2回の処置を継続した。潰瘍面積は月初(約1.5cm×2.0cm)から月末(約0.8cm×1.2cm)に縮小傾向にある。感染兆候(発赤・熱感・膿性分泌物・悪臭)は今月もなく経過している。本人に「靴下を脱がずに済む日が続いても、毎日自分でフットチェックをすること」を繰り返し指導した。

看護の内容欄

血糖測定(毎回訪問時)、インスリン自己注射の手技確認・注射部位のローテーション確認・皮膚状態確認、フットケア(足浴・爪切り・角質除去・保湿)、潰瘍処置(生食洗浄・創傷被覆材交換)、低血糖症状の観察・対応方法の指導(ブドウ糖10g携帯の確認)。フットウェアの確認(足に合ったサイズ・靴の内側確認)。家族に、足病変の観察ポイントと受診のタイミングを指導。

衛生材料欄(一部抜粋)

潰瘍処置:アルギン酸塩被覆材(カルトスタット 5×5cm)週2回×4週=8枚、生理食塩水20mL×4本、医療用テープ(ハイポアレルギータイプ)1巻


テンプレート7:パーキンソン病

利用者像:70代女性、パーキンソン病(Hoehn-Yahr Stage III)、要介護2、夫と2人暮らし

病状の経過欄

今月のON-OFF現象については、内服後2~3時間での効果発現・6~7時間後のウェアリングオフが毎日確認されている。ウェアリングオフ時の動作緩慢・小刻み歩行・すくみ足が顕著で、今月は転倒が2件発生(第2週・第4週)。いずれも打撲のみで骨折はなかったが、転倒リスクの高さを主治医に報告した。主治医より服薬時間の調整(ドパミン製剤の分割服用)について指示を得て、夫とともに新しいスケジュールを確認した。嚥下については、食事中の咳込みが月初に比べて増加(週1回→週3~4回)しており、次月にST(言語聴覚士)の導入を検討している。

看護の内容欄

バイタル測定、ON-OFF状態の評価(毎回訪問時刻と服薬時刻を記録)、転倒リスク評価、服薬管理(内服時刻の確認・副作用観察:便秘・起立性低血圧・幻覚)、嚥下機能確認(食事観察・むせ込みの頻度確認)、排便管理(便秘への対応)。夫に転倒予防の環境整備(敷物の除去・手すりの追加確認)を指導。


テンプレート8:慢性腎臓病(CKD・透析前管理)

利用者像:70代男性、CKD Stage4(eGFR 18mL/分)、要介護1、妻と2人暮らし

病状の経過欄

今月の血圧は125~152/72~90mmHgの範囲で経過した。先月の最高値(160/98mmHg)と比較し、降圧薬の増量効果が確認されている。浮腫については、顔面浮腫は改善傾向にあり、下肢浮腫(足首周径)は右25cm・左26cmで安定している。たんぱく質制限食の遵守状況について毎回確認しており、本人・妻から「主食をたんぱく質調整米に変更して1ヶ月経過している」との報告を得た。ただし、外食時の制限遵守が難しいとのことで、外食メニューの選び方を栄養士(訪問栄養指導担当)と連携して指導した。今月のクレアチニン値は外来データで3.8mg/dL(先月3.5mg/dL)とやや増加しており、主治医も把握している。

看護の内容欄

バイタル測定(血圧は毎回両腕で測定)、浮腫評価(足首周径測定・頸静脈怒張確認)、服薬確認(降圧薬・利尿薬・リン吸着薬・エリスロポエチン製剤)、食事管理指導(たんぱく質・カリウム・リン・塩分制限)、皮膚ケア(掻痒感への対応・保湿)、透析導入時期についての情報収集(本人・家族の意向確認)。


テンプレート9:脊髄損傷(褥瘡管理)

利用者像:50代男性、頸髄損傷(C5完全損傷)、要介護5、電動車椅子使用、妻と2人暮らし

病状の経過欄

今月の仙骨部褥瘡(Stage2・約3cm×4cm)については、週3回の処置を継続した。月中盤には滲出液の増加と肉芽の質低下(pale granulation)を確認したため、主治医に写真を送付して処置内容の変更を相談した。主治医より「ネオスキン処置に変更」の指示を得て実施後、2週間で滲出液は減少し、肉芽の質も改善傾向にある。褥瘡管理のため、寝床での体位変換は2時間ごとに行うよう妻に指導しているが、深夜帯の変換が困難との訴えあり。夜間専用の体位変換枕の使用と、訪問介護のナイトケア追加についてケアマネに相談した。

衛生材料欄

仙骨部褥瘡処置:ネオスキン貼付(週3回×4週=12回)、ガーゼ(4×4cm)24枚、生理食塩水20mL×8本、テープ(メディポア)2巻


テンプレート10:慢性呼吸不全(HOT導入後)

利用者像:70代男性、間質性肺炎による慢性呼吸不全、HOT(安静時1.5L・労作時3.0L)、要介護2

病状の経過欄

今月の安静時SpO2は90~94%で経過した。HOTの管理については、外出時の携帯酸素使用状況を毎回確認し、携帯ボンベの残量・使用頻度を記録している。先月に比べてADLが低下傾向(ベッドから洗面台までの移動で91%まで低下)にあり、活動量の調整とエネルギー節約技術(息切れしない動作方法)の指導を継続した。今月1回、酸素チューブの折れ曲がりによるSpO2低下(88%)のトラブルがあったが、妻がチューブを確認・修正してSpO2が改善した(妻への対応指導が有効だった)。メーカーの定期点検は〇月〇日に完了し、機器の異常はないことを確認した。


テンプレート11:うつ病・精神疾患(精神科訪問看護)

利用者像:40代女性、うつ病(中等度)、要支援1、同居家族なし(一人暮らし)

病状の経過欄

今月の精神状態については、月初は自閉傾向が強く「外に出る気力がない」との訴えが続いた。服薬確認では一包化した薬の残薬が10日分確認されており、服薬コンプライアンスの低下が見られた。主治医に報告し、自記式の服薬チェックシートの導入と、次回受診時に服薬状況を報告するよう依頼した。第3週より、訪問時の傾聴を強化し「最近何か楽しみにしていることはありますか?」という問いかけを継続した結果、「近所のコンビニまで行けた」という小さな達成体験が出てきた。GAF評価は月初45→月末52に改善している。自傷・自殺念慮については毎回確認しており、今月は否定している。

看護の内容欄

精神状態観察(感情・思考・行動の変化)、GAF評価、服薬確認・コンプライアンス支援、生活リズム確認(睡眠・食事・活動)、傾聴・精神的支援、受診補助(次回受診日の確認・外来受診の同行調整)、緊急時対応確認(自傷・他害リスク評価・緊急連絡先の確認)。


テンプレート12:肺炎後(誤嚥性肺炎退院後)

利用者像:80代男性、誤嚥性肺炎後退院(〇月〇日退院)、要介護3、嚥下機能低下あり、胃瘻造設

病状の経過欄

今月は〇月〇日に誤嚥性肺炎での入院から退院し、在宅療養を再開した。退院直後(退院~1週目)は全身状態が不安定で、倦怠感・食欲不振が続いた。胃瘻管理については退院時に病棟看護師と連携し、注入スケジュール(ラコール NF配合経腸用液400mL×2回/日)と注入速度を確認した。第2週以降は全身状態が安定し、胃瘻注入はトラブルなく実施できている。経口摂取については、STの評価に基づきゼリー食(学会分類コード0j)から開始し、月末にはミキサー食(コード2)の少量摂取が可能となった。感染再発の徴候(発熱・痰の増加・呼吸状態悪化)を毎回確認し、今月は発熱なく経過している。

衛生材料欄

胃瘻周囲処置(週2回):ガーゼ(4×4cm)8枚、生理食塩水20mL×4本


テンプレート13:統合失調症(精神科訪問看護)

利用者像:50代男性、統合失調症(維持期)、通院治療継続中、一人暮らし

病状の経過欄

今月の精神状態については、月全体を通じて比較的安定した経過を示しました。陽性症状(幻聴・妄想)については「声が聞こえることがある」との訴えは続いていますが、日常生活に大きな支障をきたすほどの増悪はありませんでした。服薬については、デポ剤(〇月〇日注射)と経口薬の両方を確認しました。経口薬は毎回訪問時に残薬確認を実施し、飲み忘れは月3回ありました(本人申告)。飲み忘れを防ぐためのカレンダー貼付薬管理を継続指導中です。生活スキルについては、食事の自炊(週3回程度)・洗濯が自立してできていることを確認しました。定期受診(月1回)は今月も本人単独で受診できており、「薬を替えたい」という希望について主治医に相談していました。


テンプレート14:ALS(筋萎縮性側索硬化症)

利用者像:60代男性、ALS(発症4年目・上肢機能喪失・人工呼吸器使用)、医療保険(別表第7)、妻と2人暮らし

病状の経過欄

今月の人工呼吸器管理については、設定(IPAP 18cmH2O・EPAP 8cmH2O・バックアップ換気12回/分)の確認を毎回実施しました。アラームは今月2回発生しましたが(回路外れ・閉塞)、いずれも妻が対応し換気を再開できました。SpO2は95~99%で安定して経過しています。コミュニケーションについては、視線入力装置の使用方法を毎回確認し、本人から「もっと使いやすく設定したい」という意思表示を確認しました。補助器具業者・リハ職(ST)と連携して設定調整を行いました。喀痰管理については、吸引(口腔・気管)を毎回訪問時に実施し、妻も自立して実施できています(妻による1日吸引回数:5~8回)。今月の緊急コールは0件でした。

看護の内容欄

人工呼吸器管理(設定確認・アラーム記録・回路確認)、気管吸引(口腔・気管)、SpO2モニタリング、栄養管理(胃瘻注入量・注入速度確認)、コミュニケーション支援(視線入力装置の操作確認)、皮膚管理(褥瘡予防・体位変換記録確認)、妻へのレスパイトケア調整(訪問介護・短期入所の調整支援)、本人・妻の精神的サポート(ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の継続的確認)。


テンプレート15:小児在宅(医療的ケア児)

利用者像:8歳男児、重症心身障害、気管切開・在宅人工呼吸器使用、母親と2人暮らし(週末のみ父親在宅)

病状の経過欄

今月の体調については、月前半は安定した経過であった。第3週に37.8℃の微熱が2日間続き、気管分泌物の増加(白色粘稠)が確認された。主治医に電話報告し、去痰薬の吸入(ビソルボン)の増量と吸引回数増加について指示を得た。3日後に解熱し、分泌物の量も通常に戻った。人工呼吸器については、設定(SIMV・PEEP 5・吸気圧12cmH2O)を毎回確認し、異常なく経過した。SpO2は99~100%(人工呼吸器使用中)で経過している。母親については、連日の医療的ケアによる疲弊が見られており、訪問看護の時間を使ったレスパイトを希望している。訪問回数の増加についてケアマネ(相談支援専門員)に相談した。今月は特別支援学校への登校が14日間できており、本人の社会参加が維持されている。


7. 計画書との整合性チェック方法

なぜ整合性が重要なのか

訪問看護報告書と計画書の整合性は、監査・運営指導において最も頻繁に指摘される問題のひとつです。

「計画書に書いてある目標・支援内容が、報告書に反映されていない」「報告書に書かれた実施内容が、計画書のどの目標に対応するのかわからない」——こうした状態は、PDCAサイクルが機能していないことを意味します。

厚生労働省の通知でも、計画書と報告書を「セットで一体的に作成・管理すること」が求められています。

(参照:厚生労働省「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta4396&dataType=1&pageNo=1)

また、訪問看護計画書の書き方と目標設定テンプレートも合わせて確認することで、計画書と報告書の一貫性が高まります。

整合性チェックの具体的な手順

ステップ1:計画書の「療養上の課題・目標・支援内容」を確認する

計画書に記載されている「今月の療養上の課題」「目標」「計画(支援内容)」をリストアップします。

例:

療養上の課題:慢性心不全による体液過剰・浮腫のリスク
目標:体重増加(+2kg以上)を早期発見し、増悪を予防する
支援内容:毎回訪問時に体重測定・浮腫確認。異常時は主治医に報告

ステップ2:報告書の「病状の経過・看護の内容」と対照する

計画書の各項目に対して、報告書で対応する記載があるかを確認します。

[計画書] 毎回訪問時に体重測定・浮腫確認
↓
[報告書] ✓ 「毎回体重測定実施。〇〇月は基準値±1kg以内で安定」と記載
       → OK

[計画書] 異常時は主治医に報告
↓
[報告書] ✓ 「〇月〇日、体重+3kg増加を確認し主治医に電話報告した」と記載
       → OK

[計画書] 家族への服薬管理指導
↓
[報告書] × 対応する記載なし
       → NG(計画していたのに実施していないか、実施したが記録していないかのどちらか)

ステップ3:報告書に記載した内容が計画書に根拠をもつかを確認する

逆に、報告書に記載している内容が計画書に位置づけられているかも確認します。報告書に書かれているが計画書にない内容は、「計画にない処置をした」または「計画書の更新漏れ」を意味します。

ステップ4:評価・次月計画への反映

報告書で明らかになった「今月達成できたこと」「まだ継続が必要なこと」「新たに発生した課題」を、次月の計画書に反映します。これがPDCAサイクルの「C(Check)」と「A(Act)」にあたります。

整合性チェックシート(実務用)

以下のチェックシートを月次で活用することで、計画書・報告書の整合性を確保できます。

チェック項目 OK NG 対応
計画書の全ての「療養上の課題」が報告書の「病状の経過」欄で評価されているか □ □
計画書の全ての「支援内容」が報告書の「看護の内容」欄で実施確認されているか □ □
計画書に記載した衛生材料と報告書の衛生材料欄が一致しているか □ □
報告書に記載した内容が計画書の目標に対応しているか □ □
状態の変化があった場合、次月の計画書に反映されているか □ □
訪問回数の計画と実績が合致しているか(相違がある場合は理由の記載があるか) □ □
特記事項(緊急訪問・入院・事故等)が計画書の評価に反映されているか □ □

整合性が取れていない場合の対処法

ケース1:計画書に書いたが実施していない支援がある

なぜ実施できなかったのか(利用者の拒否・状態不良・環境的理由等)を報告書の特記事項に記載し、次月の計画書を修正します。「計画倒れ」の状態が続くと、監査での指摘対象になります。

ケース2:計画書にない処置・ケアを実施した

緊急の処置や状態変化への対応で計画外のケアを実施した場合は、報告書に経緯を詳述し、計画書の次月版に追加します。

ケース3:訪問回数が計画と異なる

計画書の訪問予定日と報告書の訪問実績日が異なる場合は、その理由(利用者都合・体調不良・入院等)を記録してください。理由の記録なく回数が異なると、請求との整合性問題に発展します。

訪問看護の記録業務全体の効率化については、訪問看護の記録時間を半分にする5つの効率化テクニックも参考にしてください。


8. 別添(リハ職用)の書き方と看護師との連携

別添とは何か

「別添」とは、正式には「(別添)理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護の詳細」のことです。

令和3年(2021年)の介護報酬改定により、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(以下「リハ職」)が介護保険の訪問看護を提供する場合、訪問看護計画書・報告書に別添様式の添付が義務化されました。

(参照:GemMed「リハビリ専門職による訪問看護、計画書や報告書などに「利用者の状態や訪問看護の内容」などの詳細記載を―厚労省」 https://gemmed.ghc-j.com/?p=39281)

医療保険では別添様式は義務化されていませんが、医療保険の場合も訪問看護計画書・報告書に理学療法士等による訪問看護の内容を記載することが求められています。

別添の記載項目

介護保険の別添様式の主な記載項目は以下のとおりです。

  1. 利用者氏名・日常生活自立度・認知症高齢者の日常生活自立度
  2. 理学療法士等が行った訪問看護・家族等への指導・リスク管理等の内容
    • 訓練内容(起居動作・歩行・ADL訓練等)
    • 家族への介助方法指導
    • リスク管理(バイタル管理・疼痛管理等)
  3. 評価(活動・参加・看護職員との連携状況、看護の視点からの利用者の評価)
    • ICF(国際生活機能分類)の「活動・参加」の視点での評価
    • 看護職員との連携内容
    • 看護の視点から見た状態評価

看護師とリハ職の連携における実務上の注意点

別添様式の「看護職員との連携状況」欄は、看護師とリハ職が内容を共有・確認したことの証明として機能します。この欄を適切に記載するためには、以下の連携が必要です。

連携の最低限の要件

  • リハ職が作成した別添を看護師が確認し、「看護の視点からの評価」を記載する(または確認したことを署名・押印する)
  • 利用者の状態変化について、定期的に看護師とリハ職が情報共有する機会を設ける(月1回以上の記録共有またはカンファレンス)

記載のNGパターンと対策

NG OK
リハ職が単独で別添を作成し、看護師のチェックなし 月末に看護師がリハ職の別添を確認し、看護視点の評価を記載してから提出
「連携状況」欄に「特になし」だけ記載 「〇月〇日のサービス担当者会議で理学療法士と嚥下機能・転倒リスクについて情報共有した」等、具体的な連携内容を記載
看護師訪問日とリハ職訪問日が全く重なっておらず、引き継ぎなし 電話・ICTツールを活用して週1回以上の情報共有を記録として残す

別添の記載例(一部)

評価欄(活動・参加)の記載例

「今月のPT訪問(週2回)では、起立・歩行訓練・階段昇降訓練を実施した。月末時点で、歩行器を使用しての室内歩行(10m)が1回の休憩で実施可能となった(月初は2回の休憩が必要であった)。屋外歩行(近隣のコンビニまで往復200m)が月2回実施でき、本人の社会参加・QOL向上に寄与している。」

看護職員との連携状況の記載例

「月2回(〇月〇日・〇日)、担当看護師と電話で情報共有した。嚥下機能の低下(食事中のむせ込み増加)についての情報を共有し、STの導入検討をケアマネに依頼することを協議した。〇月〇日のサービス担当者会議には看護師・PTが参加し、次月の訓練目標と看護方針を確認した。」


9. 月次報告書と訪問看護情報提供書の違い

混同しやすい2つの書類

「月次報告書(訪問看護報告書)」と「訪問看護情報提供書」は、名前が似ているため混同しやすい書類です。この2つは全く別のものです。

項目 訪問看護報告書(月次報告書) 訪問看護情報提供書
正式名称 訪問看護報告書 訪問看護情報提供書
目的 主治医へのケア実施報告 特定の機関・担当者への情報提供
提出先 主治医(必須)、ケアマネ(任意) 市町村、学校、医療機関、介護保険施設等(指定あり)
作成頻度 月1回(義務) 特定の条件が満たされた時のみ
加算・療養費 訪問看護管理療養費に包括 訪問看護情報提供療養費として別途算定可能
法令根拠 保医発0327第2号・老企第55号 訪問看護情報提供療養費(健康保険法等)

訪問看護情報提供書とは

訪問看護情報提供書は、利用者の同意を得たうえで、特定の機関に対して利用者に関する情報を提供した場合に算定できる訪問看護情報提供療養費の根拠となる文書です。

(参照:iBow「訪問看護報告書ってどう書いたらいいの?」)

算定できる情報提供先(訪問看護情報提供療養費1・2・3)

情報提供先 療養費の種別 算定要件
市町村・都道府県 情報提供療養費1 小児・精神疾患患者等の福祉サービス調整等を目的に情報提供した場合
小学校・中学校等の学校 情報提供療養費1 医療的ケア児が通学する学校に情報提供した場合
保険医療機関(入院先等) 情報提供療養費2 入院予定の医療機関や退院後の担当機関に情報提供した場合
介護保険施設等 情報提供療養費3 入所予定の施設に情報提供した場合

算定額は種別によって異なります(令和6年度改定後の単価については、各都道府県の訪問看護ステーション協議会・保険者にご確認ください)。

訪問看護の加算体系全般については、訪問看護 加算一覧【2024年改定対応】で詳しく解説しています。

訪問看護情報提供書を作成する際の注意点

  1. 利用者の同意を必ず取得する:情報提供を行う前に、書面での同意を得てください。同意書は保管してください
  2. 主治医への事前連絡が必要な場合がある:医療機関への情報提供の場合、主治医を通じて依頼が来ることが多いです。訪問看護師側から能動的に提供する場合は、主治医への連絡を事前に行ってください
  3. 算定は月1回が原則:同じ機関への情報提供は月1回が上限です
  4. 月次報告書と同じ月に算定できる:月次報告書(訪問看護管理療養費)とは別に算定できます

10. 監査・運営指導で指摘されるポイントと対策

運営指導と監査の違い

**運営指導(旧:実地指導)**は、適切なサービス提供と制度の正しい運用を確保するために行政が実施するもので、基本的に全ての事業所が対象になります。一方、監査は運営指導の結果で重大な違反の疑いがある場合や、利用者からの苦情・通報等があった場合に実施されます。

(参照:カイポケ訪問看護マガジン「訪問看護の運営指導(実地指導)対策」)

運営指導で指摘を受けた場合は、文書での指摘→改善計画の提出が必要です。改善が見られない場合や重大な違反の場合は監査に移行します。

報告書に関する主な指摘事項

運営指導・監査の場で、訪問看護報告書に関して指摘されやすい項目をまとめます。

指摘事項1:報告書の作成・主治医への提供の遅延・未実施

「月次の訪問看護報告書が主治医に提供されていない月がある」「提供したことを証明する記録がない」という指摘です。

対策:

  • 報告書の提出を月末または翌月初旬の業務フローに組み込む
  • 提供方法(持参・FAX・電子送付)に関わらず、提供した記録(FAX送信票・メール送信履歴等)を保存する
  • 主治医から受領確認のサインをもらえる場合は、控えを保存する

指摘事項2:計画書との整合性がない

「計画書に記載した目標や支援内容が報告書に反映されていない」という指摘です。

対策:

  • 第7章で解説した「整合性チェックシート」を月次で実施する
  • 報告書作成時に計画書を手元に置き、項目対応を確認してから記載する
  • 計画書の「療養上の課題」「目標」「支援内容」を報告書の評価欄で必ず言及する

指摘事項3:衛生材料の記載が不十分・実態と乖離

「衛生材料の使用量が曖昧な表現(適宜・少量等)しか記載されていない」「請求した衛生材料と報告書の記載が一致しない」という指摘です。

対策:

  • 衛生材料は使用するたびに記録をつけ、月末に集計する習慣をつける
  • 「適宜」「少量」などの曖昧な表現は使わず、具体的な数量を記載する
  • 請求前に報告書の衛生材料記載とレセプトの一致を確認する

(参照:訪問看護の請求全般については訪問看護 加算一覧【2024年改定対応】を参照)

指摘事項4:別添(リハ職)の作成・連携の不備

「理学療法士が介護保険で訪問しているのに別添様式が作成されていない」「別添に看護師との連携状況の記載がない」という指摘です。

対策:

  • リハ職が訪問する全利用者について、介護保険の場合は別添様式の添付を徹底する
  • 看護師とリハ職の連携記録(電話・カンファレンスの日時・内容)をシステムまたはノートに記録する
  • 別添の「看護職員との連携状況」欄は、連携の内容を具体的に記載する

指摘事項5:記録の改ざん・後追い記載

実地指導ではまれですが、監査では記録の作成日時・修正履歴が確認されることがあります。電子記録の場合は修正ログが残ります。

対策:

  • 記録は訪問後できる限り早く作成する習慣をつける
  • 修正が必要な場合は二重線で消して上書き(紙記録)、または電子記録の修正ログを残す
  • 「後から思い出して追記した」場合は、追記日時と「後日追記」の旨を記載する

指摘事項6:利用者・家族への計画書・報告書の説明・同意

「計画書について利用者・家族への説明を行い、同意を取得したことの記録がない」という指摘です。なお報告書については、主治医への提供が主な義務ですが、利用者・家族にも適宜説明することが望ましいとされています。

対策:

  • 計画書は毎月、利用者・家族に説明し署名を得る
  • 説明の記録(日時・説明者・説明内容の概要)を記録書に残す
  • 月次の報告書についても、要点を利用者・家族に口頭説明し、その旨を記録書に残す

運営指導前のセルフチェックリスト

年1回程度実施される運営指導の前に、以下のセルフチェックを行うことをおすすめします。

チェック項目 OK NG
過去1年分の訪問看護報告書がすべて揃っているか □ □
全利用者分の報告書が月次で作成されているか □ □
報告書を主治医に提供したことの記録が残っているか □ □
報告書と計画書の療養上の課題・目標が対応しているか □ □
衛生材料の記載が具体的な数量で記載されているか □ □
別添様式が必要な利用者すべてに添付されているか □ □
利用者・家族の計画書説明・同意記録があるか □ □
記録の改ざん・後追い記載がないか(電子記録のログ確認含む) □ □
緊急訪問の記録が報告書に反映されているか □ □
精神科訪問看護の利用者はGAF等の評価記録があるか □ □

(参照:iBow「訪問看護の運営指導(旧:実地指導)について」)


11. 報告書作成の時短テクニック(AI活用含む)

報告書作成に時間がかかる原因

訪問看護の記録業務の中でも、月次報告書の作成は特に時間がかかります。その理由として以下が挙げられます。

  1. 利用者が多い場合、件数が多くなる(20名担当すれば20通の報告書)
  2. 日々の記録から情報を集約する作業が必要(月30日分の記録を1枚に要約)
  3. 疾患・状態が多様で定型化しにくい
  4. 計画書との整合性確認に時間がかかる
  5. 管理者の確認・修正プロセスがある

一般的な訪問看護ステーションでは、1名分の月次報告書の作成に15〜30分かかると言われています。利用者20名であれば月300〜600分(5〜10時間)が報告書作成だけで費やされます。

時短テクニック1:リアルタイム記録から月次報告書を自動集計する

最大の時短策は、日々の訪問記録の時点で「報告書に使える記載」をする習慣をつけることです。

月末に「今月の経過をまとめて書く」のではなく、毎回の訪問記録(SOAP・看護記録書Ⅱ)の中で、報告書の「病状の経過欄」に転記できるような記載をしておきます。

具体的には、以下のような「月次サマリー向けのメモ」を訪問記録内に残す方法が有効です。

【今月の特記】
・〇月〇日:体重+2.5kg、浮腫増悪→主治医報告、利尿薬頓服指示
・〇月〇日:転倒(浴室)、骨折なし確認
・〇月〇日:発熱38.9℃→緊急コール、翌日受診

月末はこの「今月の特記」リストを見ながら報告書を書くだけになります。

時短テクニック2:テンプレートと定型文の活用

毎月の定型的な内容(バイタル安定・服薬継続・処置継続等)については、テンプレート・定型文を作成しておくことで入力時間を大幅に短縮できます。

テンプレート活用の原則

  • 「安定経過」のテンプレートと「変化あり」のテンプレートを分けて用意する
  • 利用者ごとに「このケースの報告書テンプレート」を作成し、毎月そこに当月の変化を追記する
  • 疾患別・状態別のテンプレートを第6章の内容を参考に整備する

時短テクニック3:音声入力の活用

訪問直後の車中・移動中に、スマートフォンの音声入力機能を使って記録を残す方法が普及しています。

音声入力でメモした内容を、帰宅後または事務所でテキストに変換して報告書の下書きに使います。訪問直後であれば記憶が鮮明で、情報漏れも防げます。

使用できるツール例

  • iOSの「ボイスメモ」+テキスト変換
  • Googleドキュメントの音声入力機能
  • 電子カルテシステムの音声入力機能(iBow・カナミックネットワーク等)

詳細な記録効率化テクニックについては、訪問看護の記録時間を半分にする5つの効率化テクニックを参照してください。

時短テクニック4:AI(生成AI)による報告書作成支援

2024年以降、生成AIを活用した訪問看護報告書の自動作成機能が実用化段階に入っています。

主なAI報告書作成サービス

サービス名 概要 時短効果
iBow AI訪問看護報告 eWeLLのiBowに搭載。日々の記録・計画書情報から自動で報告書の下書きを生成 1名15分→3分程度(約80%削減)
カナミックネットワーク AI計画書 2025年9月よりAI計画書自動作成機能を追加。記録との連動で報告書作成も効率化 計画書・報告書の連動作成が可能
3kka AIサービス 生成AIを使った訪問看護報告書作成支援。記録情報を入力すると報告書の文章を自動生成 文章作成の手間を大幅削減

(参照:eWeLL「eWeLL、国内初の生成AIを活用した訪問看護報告書の自動作成機能を提供開始」 https://ewell.co.jp/news/ewellai_dx/index.html) (参照:3kka「生成AIを使った【訪問看護報告書】の作成支援サービス」 https://3kka.co.jp/ai/visiting_nursing/)

AI活用時の注意点

AIが生成した報告書の下書きは、必ず担当看護師が内容を確認・修正してから提出することが必要です。AIは事実を「それらしく」書けますが、実際の利用者の状態を確認する機能は持っていません。

具体的には以下を確認してから使用してください。

  • 記載された数値・日付が実際の記録と一致しているか
  • 実施していない処置・対応が「実施した」として書かれていないか
  • 利用者・家族の発言として記載されている内容が正確か
  • 主治医への報告事項が漏れていないか

看護レポのAI機能について

看護レポでは、TeamプランにてAI月次サマリー機能を提供しています。日々のLINE記録からAIが自動で月次サマリーを生成し、報告書作成の下書きとして活用できます。月次報告書作成の時間を大幅に短縮しながら、記録の品質も維持できます。

時短テクニック5:月末チェックフローの標準化

報告書の作成・確認・提出のフローを標準化・チェックリスト化することで、漏れや二度手間を防げます。

【月次報告書作成フロー(月末作業)】
□ Step1:今月の訪問記録一覧を確認(特記事項・緊急対応を抽出)
□ Step2:体重・バイタルの月間データを集計
□ Step3:衛生材料使用量を集計
□ Step4:計画書の「療養上の課題・目標・支援内容」と照合しながら記載
□ Step5:管理者確認・修正
□ Step6:主治医へ提出(提出記録を残す)
□ Step7:ケアマネへ写し提供(介護保険の場合)
□ Step8:整合性チェックシートの実施
□ Step9:次月の計画書への課題引き継ぎ

報告書の作成に毎月何時間かけていますか?看護レポなら日々の訪問記録から報告書を自動生成。転記ミスをなくし、作成時間を大幅に短縮します。 → 看護レポを無料で試してみる


12. 介護保険・医療保険・精神科の報告書の違い

保険種別による報告書の違い

同じ「訪問看護報告書」でも、保険種別によって様式・提出先・記載内容が異なります。混在している利用者が多い現場では、特に注意が必要です。

項目 医療保険 介護保険 精神科訪問看護
様式の根拠 保医発0327第2号 老企第55号 保医発0327第2号(精神科版)
主な提出先 主治医(義務)、ケアマネ(任意) 主治医・ケアマネ(義務) 主治医(義務)、ケアマネ(任意)
別添様式 義務化なし(医療保険) PT/OT/ST訪問時は義務 義務化なし
評価ツール 特に規定なし 日常生活自立度等 GAF尺度等(推奨)
精神症状記載 必要に応じて 必要に応じて 詳細記載が求められる

医療保険の報告書の特徴

医療保険の訪問看護では、原則として主治医への報告書の提供が義務です。難病・がん・特定疾患など医療的ケアの高い利用者が多く、処置内容・衛生材料の詳細記載がより重要になります。

特別訪問看護指示書が発行されている期間(連続14日間の集中訪問)については、記録を特に詳細に記載する必要があります。

介護保険の報告書の特徴

介護保険では、ケアマネジャーへの写し提供が一般的な運用として定着しています。ケアマネ向けの報告書には、医師向けの専門的な記載に加えて、日常生活動作の状況・介護者の状況・福祉用具の使用状況なども盛り込むと、ケアマネの業務に役立ちます。

精神科訪問看護の報告書の特徴

一般的な訪問看護報告書と異なり、精神科版の独自様式を使用します。

記載項目の特徴を以下に示します。

  • GAF(全体的機能評定尺度)スコアの記載:1〜100点スケールで機能を評価
  • 精神症状の経過:幻覚・妄想・感情の変動・希死念慮等の状態変化
  • 服薬コンプライアンスの状況:内服・デポ剤の実施状況
  • 地域生活の継続状況:就労・学校・社会参加の状況
  • 家族・介護者の状況:家族の精神的健康状態・支援力

(精神科訪問看護報告書の記載ポイントについては、精神科専門クリニックの実務ガイドも参照してください)

同一利用者に介護保険と医療保険が混在する場合

原則として、医療保険と介護保険は同時適用できませんが、例外として医療保険が優先される疾患(別表第7・別表第8)や特定の状況があります。

保険種別の判断フローについては、訪問看護の医療保険・介護保険の振り分け判断フローで詳しく解説しています。

また、加算の算定要件と保険種別の違いについては、訪問看護 加算一覧【2024年改定対応】を参照してください。


13. まとめ

訪問看護報告書は、毎月の「義務的な書類提出」ではなく、在宅看護の品質を担保し、主治医・ケアマネジャーとの連携を深め、監査・運営指導にも備える多機能なツールです。

本記事の要点を整理します。

基本ルールの再確認

  • 月1回、主治医への提供が義務(介護保険はケアマネへの提供も一般的)
  • 2024年改定で「問題点」から「療養上の課題」に名称変更
  • 衛生材料は具体的な数量で記載(「適宜」は避ける)
  • リハ職の訪問(介護保険)は別添様式が義務

医師に伝わる報告書の5原則

  1. 変化の有無と文脈を明確に書く(「安定していた」だけでなく「先月比〇〇が改善した」)
  2. 数値で変化を示す(体重・バイタル・SpO2の具体的な推移)
  3. 観察→判断→対応の流れで書く(問題を並べるだけでなく、取った対応を記載)
  4. 主治医への連絡事項は5W1Hで書く(いつ・何を・どのように報告・指示を得たか)
  5. 衛生材料は月間使用量を具体的に記載する

計画書との整合性確保

  • 計画書の「療養上の課題・目標・支援内容」と報告書の記載を毎月照合する
  • 整合性チェックシートを月次業務のフローに組み込む
  • 計画書にない処置を実施した場合は、理由を報告書に記載し次月の計画書に反映する

時短の鍵は「リアルタイム記録」と「AI活用」

  • 日々の訪問記録で「報告書に使える記載」をする習慣で月末の集計作業を削減
  • 疾患別テンプレート・定型文の整備で入力時間を短縮
  • AI報告書作成機能(iBow・カナミックネットワーク等)の活用で作成時間を最大80%削減
  • ただしAI生成の内容は担当者が必ず確認・修正する

監査対策の要点

  • 提供記録(FAX送信票・メール履歴)を必ず保存する
  • 計画書との整合性は月次チェックシートで確保する
  • 衛生材料の記載とレセプト請求の一致を確認する
  • 別添の「看護師との連携状況」は具体的に記載する

報告書の品質は、在宅看護の質に直結します。疾患別テンプレートと本記事の書き方ガイドを活用しながら、主治医に「伝わる・信頼できる」報告書を継続的に作成してください。

記録業務全体の効率化については、訪問看護の記録時間を半分にする5つの効率化テクニックもあわせてご参照ください。また、SOAP記録の書き方ガイド(例文40選)で日々の訪問記録の質を高めることが、月次報告書の品質向上にも直結します。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 訪問看護報告書は毎月必ず作成しなければなりませんか?

A1. はい、法令上の義務です。医療保険・介護保険ともに月1回の作成・主治医への提供が義務づけられています。提出が遅れたり未提出の月がある場合は、運営指導での指摘対象となります。提供した記録(FAX送信票・メール履歴など)も必ず保管してください。

Q2. 報告書に書く「病状の経過」はどの程度の詳しさが必要ですか?

A2. 主治医が「先月と比べて何が変わったか」を判断できる内容が必要です。単なるバイタル数値の列挙ではなく、変化のタイミング・対応内容・医師への連絡の有無を含めて記載してください。月全体を時系列で整理し、「前月比での状態変化のサマリー」として読めるようにするのが理想です。

Q3. 報告書と計画書の内容がずれていると、どのような問題が起きますか?

A3. 計画書に記載した目標・支援内容が報告書に反映されていない場合、運営指導でPDCAサイクルが機能していないと判断されます。また、計画にない処置を実施していると保険請求の問題にも発展します。毎月の報告書作成時に計画書を手元に置いて照合する習慣が大切です。

Q4. 衛生材料の使用量を「適宜」と書いてよいですか?

A4. 避けてください。「適宜」「少量」などの曖昧な表現は、監査・運営指導での指摘対象になります。使用した衛生材料は名称・規格・月間使用量を具体的な数量で記載することが求められています。処置ごとに記録をつける習慣をつけると、月末の集計がスムーズになります。

Q5. リハ職(PT・OT・ST)が訪問している場合、報告書に別添は必要ですか?

A5. 介護保険の訪問看護でリハ職が訪問している場合は、別添様式の添付が義務化されています(令和3年改定より)。別添には看護職員との連携状況を具体的に記載することが求められており、「特になし」だけでは指摘対象となります。医療保険では義務化されていませんが、訪問内容の記載は求められています。


参考・出典

  • 厚生労働省「訪問看護計画書等の記載要領等について(保医発0327第2号・令和2年3月27日)」
  • 厚生労働省「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(老企第55号)」
  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
  • 公益社団法人日本看護協会「看護業務基準(2021年改訂版)」
  • 公益社団法人日本看護協会「看護記録および診療情報の取り扱いに関する指針」

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