訪問看護ステーション開業の手順|申請から指定取得まで完全ガイド【2026年対応】
訪問看護ステーションの開業手順を申請から指定取得まで時系列で解説。法人設立・人員確保・事業所要件・指定申請・運営開始の全ステップを、必要書類・期間・費用付きでまとめた完全ガイドです。
訪問看護ステーションの開業手順を申請から指定取得まで時系列で解説。法人設立・人員確保・事業所要件・指定申請・運営開始の全ステップを、必要書類・期間・費用付きでまとめた完全ガイドです。
訪問看護ステーション開業で発生しやすい失敗パターンを5つに整理。人員確保・資金繰り・営業・離職・請求業務の5領域の落とし穴と、廃業を防ぐための実務的対策を解説します。
2026年改定で新設された訪問看護医療情報連携加算(月1,000円)の算定要件・対象・届出様式・他加算との併算定・記録の書き方を解説。ICT連携の実務フローと返戻を防ぐチェックリスト付き。
訪問看護ステーションの開業では、都道府県・地方厚生局・税務署・労働基準監督署・年金事務所など、多岐にわたる窓口への届出が必要です。書類の種類は20種以上、記入ミスや添付漏れがあると、受理までに数週間単位で遅れが発生します。
本記事では、訪問看護ステーション開業時に必要な全書類を、提出先ごとに整理してまとめます。各書類の記入例・必要添付書類・提出期限・窓口の連絡先まで網羅していますので、開業準備のチェックリストとしてご活用ください。
開業全体の流れは訪問看護ステーション開業の手順ガイドで解説していますので、あわせてご参照ください。
開業準備で提出が必要な主な書類を、提出先ごとにまとめます。
| 提出先 | 主な書類 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 都道府県(介護保険) | 指定申請書類一式 | 指定希望月の前々月15日まで |
| 地方厚生局(医療保険) | みなし指定活用(介護保険の指定で自動適用) | 原則不要 |
| 法務局 | 法人設立登記 | 法人設立時 |
| 税務署 | 法人設立届出・青色申告承認申請等 | 設立後1〜3か月以内 |
| 都道府県/市町村税事務所 | 法人設立届出書 | 設立後15日以内 |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金新規適用届 | 設立後5日以内 |
| 労働基準監督署 | 労働保険関係成立届・就業規則届等 | 雇用発生後10日〜30日以内 |
| ハローワーク | 雇用保険適用事業所設置届 | 雇用発生後10日以内 |
訪問看護ステーションの開業で最も重要な手続きが、都道府県(または政令指定都市・中核市)への指定申請です。介護保険法に基づく指定を受けて初めて、訪問看護事業者としてサービス提供が可能になります。
| # | 書類名 | 記入のポイント |
|---|---|---|
| 1 | 指定居宅サービス事業者指定申請書 | 所定様式。事業所名・所在地・開設者(法人)を記載 |
| 2 | 指定に係る記載事項(別紙) | サービス提供地域・営業日・営業時間・料金を記載 |
| 3 | 申請者(法人)の登記事項証明書 | 発行3か月以内の原本 |
| 4 | 定款または寄附行為の写し | 事業目的に訪問看護事業が含まれていること |
| 5 | 事業所の平面図 | 事務室・相談室・手洗い設備の配置を明記 |
| 6 | 事業所の写真 | 外観・入口・事務室・相談室・手洗い設備 |
| 7 | 事業所の賃貸借契約書の写し | 事業用契約であること |
| 8 | 管理者の経歴書 | 所定様式。看護師としての職歴・資格を記載 |
| 9 | 管理者の資格証の写し | 保健師または看護師免許の原本を確認後の写し |
| 10 | 従業者の勤務体制および勤務形態一覧表 | 常勤換算2.5人以上の人員配置を証明 |
| 11 | 従業者の資格証の写し | 全看護職員の免許(保健師・看護師・准看護師) |
| 12 | 運営規程 | サービス内容・料金・利用者の権利義務等を記載 |
| 13 | 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要 | 苦情受付窓口・対応手順 |
| 14 | 損害賠償責任保険加入証明書 | 事業者向け保険(賠償責任・個人情報漏えい含む) |
| 15 | 協力医療機関との連携体制を示す書類 | 協定書または覚書の写し |
| 16 | 役員名簿 | 所定様式。欠格事由に該当しないことの確認 |
| 17 | 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書 | 算定する加算の届出 |
多くの都道府県では、指定申請書類の正式提出の前に事前協議(または事前相談)の場が設けられています。事前協議では、書類の記入内容・添付書類の過不足を事前チェックしてもらえます。
事前協議は指定希望月の3か月前までに実施するのが一般的です。自治体によっては予約が必要なため、開業予定が決まった段階で早めに連絡してください。
指定を受けたい月の前々月15日までに書類一式を提出するのが原則です。例として、10月1日指定を希望する場合は、8月15日までに提出します。
| 申請先 | 対応自治体 |
|---|---|
| 都道府県の介護保険担当課 | 一般の市町村 |
| 政令指定都市の介護保険担当課 | 札幌・仙台・横浜・名古屋・大阪等の20都市 |
| 中核市の介護保険担当課 | 人口20万人以上の中核市 |
開業地の自治体によって提出先が異なるため、事前に確認してください。
訪問看護は介護保険と医療保険の両方で提供されます。医療保険の訪問看護事業者となるためには、原則として地方厚生局への指定申請が必要ですが、介護保険の指定を受けた訪問看護ステーションは、自動的に医療保険の訪問看護事業者としてみなし指定される仕組みがあります。
介護保険法第71条・72条に基づき、介護保険の指定訪問看護事業者は、健康保険法における指定訪問看護事業者としてみなされます。そのため、別途地方厚生局への申請は原則不要です。
ただし、医療保険の訪問看護療養費の加算(24時間対応体制加算・特別管理加算等)を算定するためには、地方厚生局への施設基準届出が必要です。主な届出加算は以下のとおりです。
| 加算名 | 届出要否 |
|---|---|
| 24時間対応体制加算 | 必要 |
| 特別管理加算Ⅰ・Ⅱ | 必要 |
| 緊急訪問看護加算 | 原則不要(都度算定) |
| 機能強化型訪問看護管理療養費 | 必要 |
| 訪問看護医療情報連携加算(2026年新設) | 必要 |
加算届出は、所在地を管轄する地方厚生局または厚生(支)局へ提出します。
加算の届出様式は地方厚生局のウェブサイトで公開されています。事業所の名称・所在地・算定する加算・施設基準の適合状況を記載し、必要な添付書類(職員名簿・勤務表等)とあわせて提出します。
訪問看護ステーションの開業主体は法人であるため、法人設立に伴う書類も必要です。
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 登記申請書 | 株式会社設立登記・合同会社設立登記等 |
| 定款 | 事業目的に訪問看護事業を明記 |
| 発起人の決定書または取締役会議事録 | 本店所在地・設立時役員の選任 |
| 就任承諾書 | 代表取締役・取締役の就任承諾 |
| 印鑑証明書 | 発起人・代表取締役の個人実印 |
| 資本金払込証明書 | 資本金の払込みを証明 |
法人設立後、税務署へは以下の届出が必要です。
| 書類名 | 提出期限 |
|---|---|
| 法人設立届出書 | 設立後2か月以内 |
| 青色申告の承認申請書 | 設立後3か月以内または事業年度末のいずれか早い日 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 開設後1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 随時(従業員10人未満の場合推奨) |
法人設立後、設立後15日以内に都道府県税事務所・市区町村の税務担当課へ法人設立届出書を提出します。提出書類は自治体によって若干異なりますが、定款の写し・登記事項証明書の添付が一般的です。
従業員を雇用する場合、社会保険(健康保険・厚生年金)と労働保険(労災保険・雇用保険)の加入手続きが必要です。
| 書類名 | 提出期限 |
|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 法人設立後5日以内 |
| 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届 | 従業員雇用後5日以内 |
| 健康保険 被扶養者(異動)届 | 従業員に被扶養者がいる場合 |
| 国民年金第3号被保険者 関係届 | 被扶養配偶者がいる場合 |
訪問看護ステーションは、法人のため社会保険の加入は義務です。
| 書類名 | 提出期限 |
|---|---|
| 労働保険 保険関係成立届 | 雇用発生後10日以内 |
| 労働保険 概算保険料申告書 | 雇用発生後50日以内 |
| 書類名 | 提出期限 |
|---|---|
| 雇用保険 適用事業所設置届 | 設置後10日以内 |
| 雇用保険 被保険者資格取得届 | 雇用発生後翌月10日まで |
常時10人以上の労働者を雇用する場合、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務です。10人未満であっても、労務トラブル予防のために作成を推奨します。
就業規則には以下の項目を必ず含めます。
以下のケースでは労使協定(36協定等)の届出が必要です。
| 協定名 | 内容 |
|---|---|
| 36協定(時間外労働・休日労働に関する協定届) | 法定時間を超える労働を命じる場合 |
| 変形労働時間制に関する協定届 | 1か月単位または1年単位の変形労働時間制を採用する場合 |
雇用契約締結時に、各従業員へ労働条件通知書を交付します。訪問看護業界では以下の特徴的な項目が含まれます。
指定取得後も、事業運営にあたって各種届出が必要です。
訪問看護ステーションの指定は6年ごとに更新が必要です。更新期限の6か月前〜直前期には、都道府県から通知が届きます。更新書類の準備には1〜2か月を要するため、更新期限の6か月前から準備を開始します。
事業所の運営内容に変更があった場合、変更届の提出が必要です。主な変更届のケースは以下のとおりです。
| 変更内容 | 提出期限 |
|---|---|
| 事業所の名称・所在地変更 | 変更後10日以内 |
| 管理者の変更 | 変更後10日以内 |
| 従業者数の変動(一時的な減員含む) | 月次報告や年次報告で対応 |
| 事業所の平面図変更(増改築等) | 変更前に事前協議 |
| 運営規程の変更 | 変更後10日以内 |
事業を廃止または休止する場合は、廃止日または休止日の1か月前までに都道府県へ廃止届または休止届を提出します。利用者への説明・他事業所への引き継ぎも並行して進めます。
従業者の勤務体制表で、常勤換算2.5人以上の人員配置を証明する必要があります。計算ミスで2.5人を下回ると、指定申請が受理されません。
非常勤スタッフの勤務時間を合計し、常勤の所定労働時間(例: 週40時間)で割ったものが常勤換算値です。詳細は人員基準と常勤換算の計算方法で解説しています。
事務室・相談室・手洗い設備の配置が明確に区画されていない平面図は、差し戻しの対象になります。
対策: 建築士または内装業者に作成を依頼。壁で区画されているか、独立した入口があるか、プライバシーが確保されるかを明記。
連携候補医療機関との調整が遅れ、協力関係を示す書類(協定書・覚書)が間に合わないケースがあります。
対策: 事業計画段階で連携候補医療機関にアポイントを取り、事前協議までに協定書案を準備しておく。
法人設立・指定申請の多くの書類で、法人の実印と印鑑証明書が必要です。印鑑証明書は発行3か月以内のものが求められる場合が多く、古いものは再取得が必要です。
対策: 書類提出の直前に印鑑証明書を取得。必要枚数を事前に確認。
運営規程には、厚労省令で定められた項目をすべて含める必要があります。記載漏れがあると差し戻しになります。
対策: 都道府県が公開している運営規程のひな形を活用。事前協議で内容確認を受ける。
訪問看護ステーション開業時の届出書類を、提出先ごとに最終チェックします。
開業届出の準備では、提出先ごとにフォルダを分けて書類を管理すると漏れを防げます。各窓口で共通して必要な書類(登記事項証明書・定款の写し等)は、複数部を同時に準備しておくと効率的です。
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