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訪問看護の同行加算|算定要件・対象者・記録実務の完全ガイド

看
看護レポ編集部
2026年9月25日7分で読める

この記事のポイント

  • 訪問看護における同行加算(同行訪問)の算定要件と対象者の全体像がわかる
  • 介護保険と医療保険それぞれで同行がどう位置づけられるかを整理して理解できる
  • 同行訪問を実施する際の記録の書き方と、請求時に気をつけるべきポイントがわかる
  • 実地指導で問われやすい確認事項と、返戻・査定を防ぐための準備方法を知ることができる
  • 2026年改定を踏まえた最新の実務対応の方向性を確認できる

訪問看護の同行加算とはどのような制度か

訪問看護の同行加算とは、看護師等が訪問看護を提供する際に、特定の条件下で別のスタッフや職種が同行訪問した場合に算定できる加算の総称として現場では広く使われる言葉です。ただし「同行加算」という名称で一本化された加算があるわけではなく、介護保険と医療保険のそれぞれに異なる算定区分が存在します。実務上は「複数名訪問看護加算」「初回加算」など複数の加算が同行訪問を根拠に算定されるケースを含むため、根拠となる告示・通知を正確に確認することが求められます。

介護保険では、訪問看護費の加算として複数名訪問看護加算(Ⅰ・Ⅱ)が定められており、看護師等が別の看護師、准看護師、または看護補助者と同行訪問する場合に算定します。加算区分は同行者の職種によって分かれており、算定回数にも制限が設けられています。医療保険では複数名訪問看護加算として同様の仕組みがあるほか、同行訪問が必要な患者像の要件が医療保険固有のルールで定められています。どちらの保険が適用されるかによって算定の根拠規定が変わるため、利用者ごとに保険区分を確認したうえで算定の可否を判断しなければなりません。

訪問看護において同行訪問が必要とされる背景には、医療依存度の高い利用者への安全な訪問、新人スタッフへの同行指導、家族への介護指導など多様な理由があります。いずれの理由であっても、加算を算定する以上は「なぜ同行が必要だったか」を記録に残す必要があり、それが実地指導対応の要となります。

制度の根拠については、厚生労働省が公開している訪問看護の算定要件に関する通知を参照してください。制度は改定のたびに内容が変わるため、最新の告示・通知を直接確認する習慣が不可欠です。

介護保険と医療保険における同行訪問の算定要件の違い

同行訪問に関して、介護保険と医療保険は制度上の位置づけが異なります。以下では主要な相違点を整理します。

介護保険における複数名訪問看護加算の概要

介護保険の訪問看護では、複数名訪問看護加算(Ⅰ)として看護師等が他の看護師または准看護師と同行訪問した場合に算定できます。加算(Ⅱ)は看護師等が看護補助者と同行する場合に適用されます。算定に際しては、同行が必要な理由を訪問看護計画書に記載し、利用者や家族の同意を得ることが求められます。回数の上限は月あたりで設けられており、看護補助者との同行(加算Ⅱ)は週3日を上限とするなど詳細なルールがあります。具体的な単位数・回数は報酬改定のたびに変わるため、所轄の保険者や国保連の最新情報を確認することを推奨します。

医療保険における複数名訪問看護加算の概要

医療保険では、訪問看護療養費において複数名訪問看護加算が設けられています。対象となる患者像として、暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等が認められる者、または同行訪問が必要と医師が判断した者などが挙げられます。算定は訪問1回ごとに行い、同行者の職種と患者要件の両方を満たすことが前提です。なお、医療保険では「精神科訪問看護基本療養費」を算定する場合に別途、複数名での訪問が認められるケースもあり、適用される算定コードが異なります。

以下の表で介護保険と医療保険の主な違いを概観します。

項目 介護保険 医療保険
根拠区分 複数名訪問看護加算(Ⅰ・Ⅱ) 複数名訪問看護加算(医療保険固有)
同行者要件 看護師・准看護師・看護補助者 看護師・准看護師等(職種要件あり)
患者要件 訪問看護計画書への記載・同意 医師の指示・患者像の要件あり
回数制限 月間・週単位の上限あり 1日あたり・月間の算定上限あり
単位数・点数 改定のたびに変動 改定のたびに変動

具体的な単位数・点数は第十五期介護報酬改定(2024年)および2026年診療報酬改定の内容を踏まえ、最新の告示を参照してください。数値が変わると記録や請求の設定も変わるため、ステーション単位での定期的な確認が求められます。

関連する請求実務については訪問看護 医療保険レセプトの書き方と点検チェックリストで詳しく解説しています。複数名加算を含むレセプト点検の具体的な手順も参照してください。

同行訪問の記録作成と書類整備の実務

同行加算を適切に算定し、実地指導に備えるためには、同行訪問の根拠を書類として残すことが重要です。必要な書類と記録のポイントを押さえておきましょう。

訪問看護計画書への記載

同行が必要な理由を訪問看護計画書に明記することが基本です。「なぜ2名で訪問する必要があるか」を具体的に記載します。理由が抽象的すぎると、実地指導で「計画書の記載が不十分」と指摘されるリスクがあります。利用者の状態を踏まえた具体的な根拠を書くことが求められます。

訪問看護記録書への記載

実際に同行訪問を実施した場合、訪問看護記録書(記録書Ⅱ)に同行者の氏名・職種・同行した理由・実施した内容を記載します。訪問時間も含めて、1回の訪問で2名が同席していたことを記録で確認できる状態にしておく必要があります。同行者が補助的な役割で参加した場合も、その役割を具体的に書いておくと後から経緯を追いやすくなります。

同意書・説明書類の整備

利用者・家族への説明と同意取得は加算算定の前提です。「複数名での訪問を行うこと」「そのための加算が発生すること」を事前に説明し、同意書に署名を得て保管します。電子記録の場合は、電子署名や同意の記録を管理台帳で一元管理する体制を整えましょう。

以下に記録整備のチェックリストを示します。

  • 訪問看護計画書に同行訪問の必要性と理由を記載しているか
  • 利用者・家族から同行訪問の同意を書面で取得しているか
  • 訪問看護記録書に同行者の氏名・職種・役割を記載しているか
  • 加算区分(Ⅰ or Ⅱ)の判定根拠が書類で確認できるか
  • 月間・週間の算定回数が上限を超えていないか確認しているか
  • レセプト上の算定コードと記録の内容が一致しているか
  • 医師の指示書(医療保険の場合)が有効期間内であるか

記録の電子化を導入しているステーションでは、同行訪問の記録を電子記録書上で管理し、請求システムへの連携ミスを防ぐ運用が求められます。訪問看護のリアルタイム記録|現場導入と運営指導対応ガイドでは、現場での記録入力を効率化するための実務的な方法を紹介しています。

実地指導で問われやすい同行加算の確認事項

実地指導では、加算算定の根拠となる書類の整合性が重点的に確認されます。同行加算に関して特に問われやすいポイントを以下にまとめます。

計画書と記録の整合性

最も頻繁に指摘されるのが、訪問看護計画書に同行訪問の記載があるにもかかわらず、実際の記録書に同行者の記載が不十分または欠落しているケースです。計画と実施が書類上で一致していないと、加算の根拠が崩れます。

同行者の資格確認と記録

加算区分はⅠとⅡで同行者の職種が異なります。看護補助者を「看護師」として誤記した場合、算定区分が変わり返戻の原因になります。同行者が誰であるかを正確に記録し、スタッフの資格証の写しを人事書類として整備しておくことが前提です。

回数カウントの管理

月間・週間の上限回数を超えて算定すると、上限超過分は返戻または自主返還の対象となります。特に月末に算定回数の集計漏れが発生しやすいため、月次で算定状況を確認するルーティンを設けることが有効です。

指示書の有効性(医療保険の場合)

医療保険では、医師の訪問看護指示書が有効期間内であることが算定の前提です。同行訪問の日付が指示書の期間外にある場合、加算だけでなく訪問看護療養費そのものが返戻対象になります。指示書の有効期間管理は基本的な管理業務として位置づけてください。

利用者・家族からの聴取への対応

実地指導では利用者・家族に対して「2名での訪問について説明を受けたか」「同意したか」を確認する場合があります。説明・同意の記録が不十分だと、書類上では整備されていても実態が伴わないと判断されるリスクがあります。

実地指導全般の対応については訪問看護の実地指導|記録整備と対応の完全ガイドも参照してください。加算算定に限らず、訪問看護記録全体の整備方針を確認できます。

2026年改定を踏まえた同行加算の実務対応と請求管理

2026年の診療報酬・介護報酬の同時改定では、訪問看護全般に関わる算定要件の見直しが行われました。同行訪問に関係する加算についても、要件の明確化や点数・単位数の変更が生じているため、改定内容を個別に確認して請求設定を更新する必要があります。

2026年改定の主な方向性として、医療依存度の高い利用者への対応や多職種連携の強化が重視されており、同行訪問の算定機会が拡大している側面もあります。一方で、不適切算定への対応として要件の厳格化も進んでいます。算定要件の解釈が不明な場合は、所轄の都道府県または国保連に確認することを推奨します。

請求管理における実務上の留意点

請求システムへの算定コード入力では、同行加算の区分(Ⅰ・Ⅱ、介護・医療)を誤って選択するミスが発生しやすいため、月次の請求確認時にコードと記録内容を照合するプロセスを設けてください。レセプトの返戻が発生した際は、返戻理由を記録し、再発防止策を検討するとともに、類似ケースへの横展開を行うことで組織的な請求精度の向上につながります。

また、同行訪問を実施した場合の訪問時間の記録も重要です。算定区分によっては訪問時間の最低要件が設けられており、時間の記録が不十分だと返戻・査定の原因になります。訪問開始時刻・終了時刻を記録書に明記する運用を徹底してください。

2026年改定の全体像については訪問看護2026年改定の要約|新設7加算・引き下げ・施行日一覧で確認できます。同行加算を含む各種加算の変更点を一覧で把握するのに役立ちます。

訪問看護ステーションの記録・請求管理をシステムで効率化したい場合は、看護レポの詳細はこちら: https://kango-repo.com

よくある質問

Q. 訪問看護における同行加算とはどの加算を指しますか?

A. 現行の制度上、「同行加算」という独立した名称の加算が一本化されているわけではありません。実務上は、介護保険の「複数名訪問看護加算(Ⅰ・Ⅱ)」および医療保険の「複数名訪問看護加算」が同行訪問に対応する加算として位置づけられています。算定根拠は介護保険と医療保険で異なるため、利用者ごとの保険区分を確認して適切な算定区分を選択してください。

Q. 同行訪問の記録はどのように書けばよいですか?

A. 訪問看護計画書に同行が必要な理由を記載し、実際の訪問看護記録書(記録書Ⅱ)には同行者の氏名・職種・実施内容・訪問時間を明記します。なぜ2名での訪問が必要だったかを具体的に書いておくことが、実地指導対応の観点からも重要です。電子記録の場合も同様の情報を漏れなく入力してください。

Q. 看護補助者と同行した場合も加算を算定できますか?

A. 介護保険の複数名訪問看護加算(Ⅱ)では、看護師等が看護補助者と同行した場合にも算定できます。ただし、加算(Ⅰ)とは算定区分・単位数・算定回数の上限が異なります。医療保険では同行者の職種要件が別に定められているため、適用する保険制度ごとに要件を確認してください。算定可否や回数の解釈が不明な場合は所轄の指導内容を確認することを推奨します。

Q. 月に何回まで同行訪問の加算を算定できますか?

A. 介護保険・医療保険ともに月間または週単位の算定上限が設けられています。具体的な回数は報酬改定のたびに変わるため、現行の告示・通知を参照して確認してください。特に看護補助者との同行(介護保険加算Ⅱ)は週の算定上限が定められているため、週をまたいだカウント管理が必要です。算定回数の上限を超えて請求した場合は返戻・査定の対象となります。

Q. 同行訪問に関して実地指導でどのような点を確認されますか?

A. 主に以下の点が確認されます。①訪問看護計画書に同行の必要性と理由が記載されているか、②利用者・家族から同意を得た書面があるか、③訪問看護記録書に同行者の情報が明記されているか、④算定区分と記録内容が一致しているか、⑤月間・週間の算定回数が上限内に収まっているか。これらが整備されていないと指摘を受けるリスクがあるため、算定のたびにチェックリストで確認する習慣を設けてください。

Q. 2026年改定で同行加算に変更はありましたか?

A. 2026年の診療報酬・介護報酬の同時改定において、訪問看護全般の算定要件が見直されており、同行訪問に関係する加算についても点数・単位数や要件が変更されている可能性があります。具体的な変更内容は厚生労働省の告示・通知を直接確認するか、所轄の保険者・国保連に問い合わせてください。改定前の情報をそのまま使用すると算定誤りにつながるため、定期的な情報更新が求められます。

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