訪問看護 医療保険レセプトの書き方と点検チェックリスト
訪問看護の医療保険レセプト(訪問看護療養費明細書)の正しい記載方法を、記載例と点検チェックリストで解説します。よくある記載ミスTOP10とその防止策、2026年改定対応、国保連フォーマットへの転記ミス削減策まで網羅した管理者・事務担当者向けガイドです。
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訪問看護の医療保険レセプト(訪問看護療養費明細書)の正しい記載方法を、記載例と点検チェックリストで解説します。よくある記載ミスTOP10とその防止策、2026年改定対応、国保連フォーマットへの転記ミス削減策まで網羅した管理者・事務担当者向けガイドです。
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「夜中に緊急訪問したのに加算が取れていなかった」「届出は出しているはずなのに、なぜか算定できていない」――訪問看護ステーションのレセプト担当者からこうした声を毎月のように耳にします。
緊急時訪問看護加算は、24時間365日の対応体制を整えていることへの正当な報酬です。しかし、算定要件・届出手続き・記録方法の3つがすべて揃って初めて安定して算定できます。どれか1つが欠けただけで、月単位での加算取り逃しが起きます。
この記事では、2024年度介護報酬改定で新設された区分(Ⅰ)・(Ⅱ)の違いから、体制届出の手順・様式の書き方、緊急訪問時のSOAP記録テンプレート5パターンまで解説します。 現場で実際に起きている「加算取り逃し事例TOP10」も含め、実務に直結する情報を30,000文字超にわたって徹底解説します。
緊急時訪問看護加算(介護保険)とは、訪問看護ステーションが利用者やその家族等からの電話などによる緊急の連絡・相談に常時対応できる24時間体制を整備していることを評価する加算です。緊急時の訪問看護を実施できる体制そのものが評価対象となります。 利用者が安心して在宅療養を続けられるよう、体制整備そのものを正当に評価する制度です。
重要なのは、「体制を整えていること」に対する加算である点です。つまり、その月に実際に緊急訪問が発生しなくても、体制が整っていれば月1回算定できます。これが医療保険の「緊急訪問看護加算(実際の緊急訪問ごとに算定)」と根本的に異なる点です。
訪問看護ステーションにとって夜間・休日の対応体制の維持はコストがかかります。スタッフのオンコール手当、緊急対応のための待機体制など、目に見えない経費が発生しています。緊急時訪問看護加算はそれを正当に評価するための制度です。
介護保険の訪問看護を利用している利用者が対象です。要介護1〜5または要支援1〜2の認定を受け、訪問看護ステーションとサービス契約をしている方が算定対象になります。
ただし、以下の条件が重なる場合は算定できません。
緊急時訪問看護加算は1利用者につき月1回が基本です。ただし、2024年度改定以降は区分Ⅱが導入され、計画外の緊急訪問が発生した際には2回目以降の算定も可能な仕組みになっています(後述)。
月をまたいだ場合は、それぞれの月で条件を満たせば算定できます。つまり、体制届出が受理されており、利用者の同意があれば、毎月継続して算定することが可能です。
ステーションの規模にもよりますが、利用者20名で緊急時訪問看護加算(Ⅱ、574単位)を全員に算定すると、月額で574単位 × 20名 = 11,480単位の収益増加になります。1単位=10円換算で月額約11万4,800円、年間約137万円の増収効果があります。
実際の在宅医療・介護の現場では、夜間や週末に利用者の容体が変化することは珍しくありません。緊急時訪問看護加算の算定は単なる収益向上だけでなく、ステーションが真剣に24時間体制を構築している証明でもあります。体制を整えているならば、きちんと算定すべき加算です。
2024年(令和6年)4月の介護報酬改定以前は、緊急時訪問看護加算は一本化されており、訪問看護ステーションの場合は月574単位(その当時の単位数)を算定する形でした。加算の要件は「24時間対応体制の整備」と「利用者・家族への説明・同意」が中心でした。
2024年度介護報酬改定により、緊急時訪問看護加算に「(Ⅰ)」と「(Ⅱ)」の2区分が設けられました。この改定の背景には、オンコール対応を担う看護師の負担軽減への取り組みを評価するという考え方があります。
緊急時訪問看護加算(Ⅰ):600単位/月(訪問看護ステーション)
「24時間対応体制における看護業務の負担軽減に資する十分な業務管理等の体制」が整備されている場合に算定できる上位区分です。
緊急時訪問看護加算(Ⅱ):574単位/月(訪問看護ステーション)
従来の加算をほぼ踏襲した区分で、24時間対応体制そのものを評価します。負担軽減の追加要件を満たさない場合はこちらを算定します。
病院・診療所の場合の単位数
| 区分 | 病院または診療所 |
|---|---|
| 緊急時訪問看護加算(Ⅰ) | 325単位/月 |
| 緊急時訪問看護加算(Ⅱ) | 315単位/月 |
区分(Ⅰ)を算定するためには、通常の24時間対応体制に加えて「看護業務の負担軽減に資する十分な業務管理等の体制」を整備していることが必要です。具体的には以下のような体制が含まれます。
① 当番制の導入 オンコール担当を特定の職員に固定せず、複数名でローテーションを組む体制。これにより1人の担当者への集中を防ぎます。
② ICT(情報通信技術)の活用 電話・メッセージアプリ・専用システムなどを活用し、緊急時の連絡・情報共有を効率化する体制。
③ 夜間・休日の対応ルールの文書化 緊急時の判断基準、連絡フロー、訪問するかどうかの判断手順を文書で整備していることが必要です。
④ スタッフへの研修・教育 緊急時対応の手順について定期的な研修・勉強会を実施していることが必要です。
これらの取り組みを整備し、届出の際に体制整備の状況を記載することで、区分(Ⅰ)の算定が認められます。
2024年改定でもう一つ重要な変更が加えられました。それは「緊急時の連絡を受ける担当者は、看護師等でなくてもよい」という要件の緩和です。
改定前は、利用者・家族からの緊急電話に最初に対応する担当者も看護師等の医療職が担当すべきとされていました。改定後は、最初の電話対応を事務職員や介護支援専門員が担当し、内容に応じて看護師等に引き継ぐ体制でも要件を満たせるようになりました。
これはステーションにとって体制構築の柔軟性が高まる改定です。24時間、看護師が直接電話対応しなければならないという制約がなくなったことで、当番制の組み方や業務分担の設計がより現実的になりました。
ただし、「看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制」という要件は変わりません。つまり、緊急連絡の最初の受け付けは事務職でも可能ですが、看護判断が必要な場面では迅速に保健師・看護師等が対応できる仕組みが必要です。
実務的な判断基準を以下にまとめます。
区分(Ⅰ)を選ぶべき場合
区分(Ⅱ)でとどまる場合
区分(Ⅰ)への移行は月26単位(金額換算で約260円/利用者)の差しかありませんが、利用者数が多くなれば差は広がります。また、負担軽減の取り組み自体がスタッフの離職防止・職場環境改善につながるため、経営面でも長期的に大切です。
オンコール負担軽減の具体的な方法は「訪問看護 オンコール負担軽減|管理者向け実践ガイド」で詳しく解説しています
緊急時訪問看護加算を安定して算定するためには、「届出」「算定」「記録」の3ステップを正確に踏む必要があります。どれか1つでも欠けると、算定要件を満たさないまま請求していることになり、後の監査・指導で返還を求められるリスクがあります。
【STEP1: 体制届出】
都道府県(または市区町村)への届出
→ 受理通知の受け取り
→ 届出の有効期限・更新確認
【STEP2: 利用者への説明・同意】
加算の内容説明(書面)
→ 同意書の署名・捺印
→ 同意書のファイリング・保管
【STEP3: 月次算定と記録】
毎月の算定(月1回・ただし条件次第で2回以上)
→ 緊急訪問時の記録(日時・内容・対応者)
→ レセプト請求・確認
以下の項目をすべてチェックしてから届出を行ってください。
体制確認チェックリスト(届出前)
| # | チェック項目 | 確認 |
|---|---|---|
| 1 | 利用者・家族からの電話等に常時(24時間365日)対応できる体制がある | □ |
| 2 | 緊急時に訪問看護を実施できる体制がある | □ |
| 3 | 緊急時の訪問判断を速やかに行える看護師等に連絡できる連絡体制がある | □ |
| 4 | 緊急対応の担当者・連絡先を利用者・家族に書面で提供できる | □ |
| 5 | 緊急時対応マニュアル(手順書)が整備されている | □ |
| 6 | 届出様式(各都道府県所定のもの)を入手している | □ |
| 7 | 区分(Ⅰ)を算定する場合:負担軽減体制の整備が確認できる | □ |
| 8 | 加算に関する説明書・同意書のひな形が準備できている | □ |
毎月の算定時に確認すべき項目です。
月次算定チェックリスト
| # | チェック項目 | 確認 |
|---|---|---|
| 1 | 都道府県への体制届出が受理されている(受理通知を保管中) | □ |
| 2 | 利用者(または家族)から署名付き同意書を取得している | □ |
| 3 | 同月に医療保険の24時間対応体制加算を算定していない | □ |
| 4 | 同月に他の訪問看護ステーションで緊急時訪問看護加算を算定していない | □ |
| 5 | 利用者が入院・入所中でなく、訪問看護の実績がある | □ |
| 6 | 同月に短期入所生活介護等で訪問看護が実施されていない月ではない | □ |
緊急訪問が発生した場合に必要な記録の要件です。
緊急訪問発生時の記録チェックリスト
| # | チェック項目 | 確認 |
|---|---|---|
| 1 | 緊急連絡を受けた日時・内容を記録している | □ |
| 2 | 対応した看護師(または初期対応者)の氏名を記録している | □ |
| 3 | 電話対応のみの場合:電話指導の内容を記録している | □ |
| 4 | 緊急訪問した場合:訪問日時・所要時間・実施した看護内容を記録している | □ |
| 5 | 主治医への報告・連絡の内容と日時を記録している | □ |
| 6 | 翌日以降のケア計画の変更が必要な場合、計画変更の記録がある | □ |
| 7 | 訪問看護報告書・記録書に緊急対応の事実が記載されている | □ |
緊急時訪問看護加算の体制届出先は、都道府県(知事)または市区町村(長) です。具体的には、ステーションの所在地を管轄する都道府県の福祉・介護担当部署、または市区町村の介護保険担当窓口が届出先になります。
届出のタイミング
加算を算定したい月の前月末までに届出を行うのが基本です。たとえば4月分から算定したい場合は、3月末(多くの場合は3月15日前後)までに届出が必要です。各都道府県・市区町村によって締め切り日が異なるため、事前に確認が必要です。
なお、すでに届出済みで体制に変更がない場合は、毎月届出をする必要はありません。ただし、体制に重大な変更(常時対応が困難になった等)があった場合は速やかに変更届を提出する義務があります。
都道府県・市区町村によって若干異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。
体制届出書(所定様式) 各都道府県・市区町村のウェブサイトからダウンロードできます。様式名は「介護給付費算定に係る体制等状況一覧表」「体制等届出書」などと呼ばれることが多いです。
付属の算定基準確認書 算定要件を満たしていることを自己点検するチェックリスト形式の書類。
緊急時対応体制に関する資料 当番表・連絡先一覧・緊急対応マニュアルなど(求められる場合)。
区分(Ⅰ)の場合:負担軽減体制の整備内容 当番制の実施状況・ICT活用の状況・研修の実施記録など。
実際の届出書の書式は都道府県ごとに異なりますが、記入が求められる主な項目とその記入例を以下に示します。
【記入例:大阪府の場合(参考)】
■ 介護給付費算定に係る体制等状況一覧表(訪問看護・介護予防訪問看護)
事業所名:○○訪問看護ステーション
事業所番号:2700-○○○○○○
【緊急時訪問看護加算】
□ 加算(Ⅰ)を届出(600単位/月)
※看護業務の負担軽減体制を整備している場合
□ 加算(Ⅱ)を届出(574単位/月)
※上記以外の24時間対応体制
【体制整備の状況】(加算Ⅰを届け出る場合に記入)
・当番制の導入:有 / 無
・ICT活用:有 / 無
・緊急対応マニュアルの整備:有 / 無
・スタッフ研修の実施:有 / 無
届出年月日: 年 月 日
管理者氏名(署名・押印):
記入時の注意点
届出を提出したら、以下の手順で受理を確認・保管します。
受理確認の手順
保管期間
届出に関する書類は5年間の保管が推奨されています(介護保険法に基づく記録の保存義務)。電子データで保存する場合も、定期的なバックアップを行ってください。
以下の場合は変更届または廃止届の提出が必要です。
変更届が必要なケース
廃止届が必要なケース
変更・廃止の届出を怠ったまま算定を継続すると、不正請求となるリスクがあります。体制に変化があった場合は速やかに対応してください。
緊急時訪問看護加算を算定するためには、利用者(または家族等)に対して書面で説明を行い、同意を得ることが法定要件です。口頭だけの説明では要件を満たしません。
説明・同意の目的は以下の2点です。
説明書に盛り込む必要がある項目は以下の通りです。
【緊急時訪問看護についての説明書(記載例)】
○○訪問看護ステーション
■ 加算の内容
当ステーションでは、24時間365日、お電話等によるご相談・ご連絡に対応しております。
緊急の際には、訪問看護師が迅速にお伺いします。
■ 加算の名称と費用
緊急時訪問看護加算(介護保険):月1回
・加算(Ⅰ)の場合:600単位
・加算(Ⅱ)の場合:574単位
(1単位は地域によって異なりますが、概ね1〜1.14円です)
■ 緊急時の連絡先
緊急連絡先:○○-○○○○-○○○○
対応時間:24時間365日
担当者:○○訪問看護ステーション当番看護師
■ 注意事項
・この加算は、月に1回(ご利用月に)請求させていただきます。
・緊急訪問が発生した場合は、訪問ごとの費用(訪問看護費)も別途発生します。
・介護保険外(医療保険等)での訪問には適用されません。
同意書は説明書と一体にすることも、別様式にすることも可能です。以下は基本的な同意書の記入例です。
【緊急時訪問看護加算 同意書(記入例)】
私は、○○訪問看護ステーションから緊急時訪問看護加算に関する説明を受け、
内容を理解した上で、同加算の算定に同意します。
利用者氏名:○○ ○○ (自署または代筆の場合は代筆者との関係を記載)
生年月日:昭和/平成 年 月 日
同意者:□利用者本人 □家族 □代理人
同意者氏名: (利用者本人以外の場合は記入)
続柄:
署名または捺印:
日付: 年 月 日
説明を行った職員(訪問看護師等):
氏名: 職種:
○○訪問看護ステーション 管理者印
取得タイミング
更新の要否 基本的に同意書は継続して有効です。ただし、以下の場合は再取得を検討してください。
同意が取れない場合の対応 利用者が認知症等で同意能力が乏しい場合は、家族(法定代理人または主たる介護者)から同意を取得します。家族が複数いる場合は、主たる意思決定者(後見人、または家族内で決まっている代表者)から取得するのが適切です。
取得した同意書は利用者ごとにファイリングし、少なくとも5年間保管する必要があります。電子化する場合は、スキャンして電子カルテまたは記録システムに保存します。
看護レポのようなシステムを使用している場合は、利用者情報に同意書の取得日・保管場所をメモしておくと、監査時にスムーズに提示できます。
緊急訪問時の記録は、加算算定の根拠証明であると同時に、次の訪問者へのケア引き継ぎ資料でもあります。記録の質が低いと、監査で「対応の事実が確認できない」と指摘されることがあります。
SOAP形式での記録は、主観的情報(S)・客観的情報(O)・アセスメント(A)・プラン(P)の4項目で状況を構造化するため、緊急訪問のように時間的制約がある中でも要点を漏らさず記録できます。
SOAP記録の基本的な書き方は「訪問看護のSOAP記録書き方ガイド」で詳しく解説しています
SOAP形式にかかわらず、緊急訪問の記録には以下の項目が必須です。
状況設定:末期がんで在宅療養中の70代男性。夜間に家族から「39度の熱が出て、意識がもうろうとしている」との電話あり。訪問看護師が緊急訪問。
緊急連絡受信記録
SOAP記録
S(主観的情報) 「お父さんが急に熱が出て、呼びかけても返事がしっかりしなくて怖い。昨日まで元気だったのに」(長男談)。 患者本人からは「寒い、体がだるい」との発言あり。
O(客観的情報)
A(アセスメント) 末期がん患者における感染症合併または腫瘍熱の可能性があります。意識レベルの低下・血圧低下・SpO2低下が認められ、脱水状態も疑われます。現在の状態は安定していますが、経過観察が必要です。主治医への報告・指示確認が急務です。
P(プラン)
状況設定:COPD(慢性閉塞性肺疾患)で在宅酸素療法中の80代女性。深夜に本人から「息が苦しくて眠れない」との電話あり。
緊急連絡受信記録
SOAP記録
S(主観的情報) 「息がうまくできなくて、横になっていられない。起き上がっていても苦しい」(本人) 「いつもより酸素の流量を上げてみたけど、変わらない」(本人)
O(客観的情報)
A(アセスメント) COPDの増悪が疑われます。感染症(痰の性状から気管支炎)合併の可能性があります。SpO2 86%は安全域を下回っており、酸素流量の増量と医師への緊急報告が必要です。
現状は在宅管理可能か要判断です。
P(プラン)
酸素流量を3Lに増量(医師への報告前の緊急対応として)
主治医(○○病院・呼吸器内科・○○医師)へ03:10に電話報告 → 「酸素3L継続。SpO2 92%以上を確保できれば在宅管理。92%を切るようであれば救急搬送の検討を」との指示受け
体位調整(ファウラー位30°→45°)。3L使用にてSpO2 92%に改善
気管支拡張薬(サルブタモール吸入)実施(医師指示確認済み)
家族(隣室就寝中の夫)へ状況説明。「朝まで30分ごとにSpO2チェックをお願いしたい」と依頼
翌朝8:00の訪問看護(定期)で状態確認。主治医へ当日受診依頼の相談予定
状況設定:パーキンソン病で在宅療養中の75代男性。早朝に家族から「トイレに行こうとして転んだ、足が動かせないと言っている」との電話あり。
緊急連絡受信記録
SOAP記録
S(主観的情報) 「右足が痛くて、動かすと激痛がある。立てない」(患者本人) 「夫がベッドから降りようとして、そのまま滑って床に落ちたみたい。泣くほど痛がっている」(妻談)
O(客観的情報)
A(アセスメント) 右股関節付近の骨折(大腿骨頸部骨折等)を疑う所見があります。パーキンソン病による筋固縮・歩行障害があり、転倒リスクは常時高い状態です。頭部後頭部打撲があり、神経学的症状の経過観察が必要です。自宅でのケアは困難と判断し、救急対応を検討します。
P(プラン)
状況設定:心不全で在宅療養中の82代女性。深夜に家族から「足がむくんで靴が履けないと言っている」との電話あり。電話で対応し訪問は行わなかった事例。
緊急電話対応記録
対応記録(電話対応のみ)
S(主観的情報) 「昨日から足がパンパンに張っている。今日は靴が履けなかった。食欲はある。」(長女経由、患者本人確認) 「息苦しさ・咳はない。横になっても苦しくない」(患者本人)
O(客観的情報) ※電話対応のため直接観察不可
長女の報告:「両足首のむくみが指で押すとへこむ。皮膚の色は普通。」 患者本人:「体重は今朝は測っていない。昨日と比べて急に増えた感じはわからない」 平常時体重:52kg(前回訪問時記録より確認)
A(アセスメント) 心不全による浮腫の増悪が疑われます。ただし、呼吸困難・起坐呼吸・咳嗽がなく、ADLの大きな変化も現時点では確認されていません。緊急受診を要するほどの急変ではない可能性がありますが、主治医への報告が必要です。
P(プラン)
状況設定:統合失調症で在宅療養中の40代女性。夜間に利用者本人から「声が聞こえて怖い、死にたい」との電話あり。
緊急電話対応記録
SOAP記録(電話対応)
S(主観的情報) 「また声が聞こえてきて、『死ね』って言われている。怖くて眠れない」(本人) 「死にたいとは思うけど、自分を傷つけたりはしていない」(本人確認) 「薬は飲んだ。食事もした」(本人)
O(客観的情報) ※電話対応のため直接観察不可
声のトーン:落ち着いている(パニック状態ではない) 会話の理解力・応答:良好(質問に対して適切に返答できている) 希死念慮:言語化されているが、具体的な自傷・自殺企図の訴えなし 直近の服薬状況:本日分(夜の分)服用済みとの報告
A(アセスメント) 幻聴の増悪による恐怖感・不眠が生じているが、現時点での即時的な危機介入(緊急訪問・救急対応)の必要性は低いと判断しました。希死念慮の表明はありますが、具体的な計画・手段の言及はありません。引き続き電話での傾聴・支持が有効と判断しました。ただし、状況次第では訪問を検討します。
P(プラン)
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現場で実際に起きている「算定できたはずなのに取れていなかった」事例を10パターン紹介します。当てはまるものがないか、ぜひ確認してください。
状況:ステーション開設後すぐに緊急時訪問看護加算の届出を提出したが、都道府県の受理処理が翌月になった。しかし担当者は「届出した=算定可能」と思い込み、開設当月から算定していました。
問題点:届出が受理されていない月の算定は不正請求になります。届出後は必ず受理通知を確認し、受理された月から算定を開始してください。
対策:届出提出時に「いつから算定可能か」を担当窓口に確認する習慣をつけましょう。
状況:新規利用者の受け入れが続く中で、加算の説明・同意書取得の手続きを後回しにしてしまった。気づいたら3ヶ月間、同意書なしで算定していました。
問題点:同意書なしの算定は要件を満たしていないため、後の監査で返還対象になります。
対策:「サービス開始チェックリスト」に「緊急時訪問看護加算の同意書取得」を必須項目として加え、初回訪問前または初回訪問時に必ず取得する手順を徹底してください。
状況:月途中で医療保険から介護保険に変更になった利用者について、その月に介護保険の緊急時訪問看護加算を算定した。しかし同月すでに医療保険の24時間対応体制加算も算定していました。
問題点:同月に介護保険の緊急時訪問看護加算と医療保険の24時間対応体制加算は重複算定できません。
対策:保険の切り替えが発生した月は、必ず両保険の加算状況を確認し、重複しないよう調整してください。
状況:複数のステーションを利用している利用者について、担当ケアマネジャーから情報提供がなく、別のステーションがすでに緊急時訪問看護加算を算定していた。同月に2ヶ所が請求し、返戻が発生。
問題点:1利用者につき1ヶ所のみ算定できます。
対策:新規利用者の担当になった際は、他のステーションの利用状況(特に緊急時加算の算定状況)をケアマネジャーに確認することを習慣化してください。
状況:夜間の電話相談に対応したが、「実際に訪問していないから緊急時訪問看護加算は関係ない」と思い込み、加算を算定しなかった。
問題点:介護保険の緊急時訪問看護加算は「体制整備」への評価であるため、電話対応のみ・訪問なしの月でも算定できます(ただし体制届出・同意書が前提)。
対策:「緊急訪問=訪問看護加算」ではなく、「体制があれば毎月算定できる」という正しい理解を管理者・担当者全員が共有してください。
状況:深夜2時に緊急訪問した際、訪問看護費の深夜加算(25%増)も算定した。しかし「月初の緊急訪問1回目」だったため、深夜加算は算定できない。返戻が発生。
問題点:介護保険において、その月の1回目の緊急訪問では早朝・夜間・深夜加算を算定できません(2回目以降は算定可能)。
対策:レセプト作成時に「この月の緊急訪問は何回目か」を必ず確認し、1回目の場合は夜間等加算を除外する処理を行ってください。
状況:負担軽減体制を整備していないのに、届出で区分(Ⅰ)を選択して月600単位で算定していた。指導時に「要件が満たされていない」と指摘を受けた。
問題点:区分(Ⅰ)には具体的な負担軽減体制の整備が必要です。整備していない状態での(Ⅰ)算定は不正請求になります。
対策:区分を選択する際は、当番制・ICT活用・マニュアル整備などの実態と照らし合わせて正しい区分を選んでください。
状況:緊急訪問は行ったが、通常の訪問と同じような記録しか残っていなかった。「緊急として対応した」という事実が記録から読み取れず、監査で指摘されました。
問題点:緊急訪問である以上、電話連絡を受けた時刻・訪問判断の経緯・対応内容が記録に明記されている必要があります。
対策:緊急訪問時は必ず「緊急連絡受信記録」を別途作成するか、通常の訪問記録に「緊急訪問」と明記し、連絡受信時刻・連絡者・訪問判断の理由を記録してください。
状況:月初めに訪問看護を行い、その後利用者が入院した。同月に訪問看護の実施があるため加算を算定したが、入院月は算定の制限がある場合があると指摘されました。
問題点:入院した月の取り扱いは複雑です。訪問看護の実績がある日があれば算定できる場合もありますが、入院期間が長い場合や月の全期間が入院の場合は算定できません。
対策:入院が発生した月は、訪問看護の実施日数と入院期間を確認し、算定の可否を慎重に判断してください。不明な場合は国保連や都道府県の相談窓口に確認するのが確実です。
状況:以前に届出を提出していたが、管理者交代の際に変更届を提出し忘れた。また届出様式が新しいものに変わった際も更新していなかった。
問題点:管理者変更等の体制変更があった場合は変更届が必要です。届出が適切に更新されていない状態での算定は問題になる可能性があります。
対策:管理者交代・住所変更等のイベントが発生したら、必ず体制届出の変更が必要かどうかを確認してください。年1回程度、届出内容の棚卸しをする習慣もお勧めします。
訪問看護の返戻対策と再請求手順の詳細は「訪問看護レセプトの返戻を完全攻略」で解説しています
訪問看護における緊急・24時間対応に関する加算には、以下のように複数の種類があり、名称が似ているため混同しやすいです。
これらは保険の種別・算定の性質・要件がすべて異なります。以下で整理します。
| 項目 | 緊急時訪問看護加算(介護保険) | 24時間対応体制加算(医療保険) | 緊急訪問看護加算(医療保険) |
|---|---|---|---|
| 保険種別 | 介護保険 | 医療保険 | 医療保険 |
| 評価対象 | 24時間体制の整備(体制加算) | 24時間体制の整備(体制加算) | 実際の緊急訪問(行為加算) |
| 算定タイミング | 月1回(体制があれば) | 月1回(体制があれば) | 緊急訪問の都度 |
| 単位数・点数 | Ⅰ:600単位、Ⅱ:574単位/月 | イ:6,800円、ロ:6,520円/月 | 265単位/回 |
| 届出 | 都道府県への届出必要 | 地方厚生(支)局への届出必要 | 不要(24時間対応体制加算が前提) |
| 同意書 | 利用者の同意書必要 | 利用者の同意書必要 | 別途同意は不要 |
| 実際の訪問 | なくても算定可 | なくても算定可 | 実際の訪問が必要 |
| 重複算定 | 医療保険の24時間対応体制加算と同月不可 | 介護保険の緊急時訪問看護加算と同月不可 | 24時間対応体制加算(医療)と組み合わせ |
算定の性質:24時間365日の体制整備を評価する「体制加算」です。実際に緊急電話が来なくても、訪問が発生しなくても、体制が整っていれば月1回算定できます。
届出先:都道府県(知事)または市区町村(長)
単位数(訪問看護ステーション):
主な算定要件:
算定の性質:介護保険の緊急時訪問看護加算と類似した「体制加算」です。医療保険で訪問看護を受けている利用者に月1回算定できます。
届出先:地方厚生(支)局
金額(2024年度):
主な算定要件:
算定の性質:実際に緊急訪問を行った場合に、1訪問につき算定できる「行為加算」です。24時間対応体制加算とは別物であり、セットで算定します。
金額:265単位/回(1回の訪問につき)
算定要件:
注意点:介護保険の「緊急時訪問看護加算」とは根本的に性質が異なります。介護保険は「体制=月1回」であるのに対し、医療保険の緊急訪問看護加算は「実際の訪問=1回ごと」です。
| 組み合わせ | 算定可否 |
|---|---|
| 介護保険「緊急時訪問看護加算」 + 医療保険「24時間対応体制加算」 | 同月不可 |
| 介護保険「緊急時訪問看護加算」 + 医療保険「緊急訪問看護加算」 | 不可(保険制度が異なるため同時算定の前提なし) |
| 医療保険「24時間対応体制加算」 + 医療保険「緊急訪問看護加算」 | 可能(同月複数回算定可) |
月途中で医療保険↔介護保険の切り替えが発生した場合は、各保険の有効期間に応じて算定の可否が変わります。このケースは特に注意が必要です。
訪問看護では、早朝・夜間・深夜の時間帯に訪問を行った場合、通常の訪問看護費に上乗せして時間帯加算を算定できます。
時間帯の定義(介護保険)
| 時間帯 | 区分 | 加算率 |
|---|---|---|
| 6:00〜8:00 | 早朝 | 25%加算 |
| 18:00〜22:00 | 夜間 | 25%加算 |
| 22:00〜翌6:00 | 深夜 | 50%加算 |
緊急時訪問看護加算(体制加算)と夜間等加算(時間帯加算)は、原則として併算定できます。ただし、重要な例外ルールがあります。
例外ルール(介護保険):月の1回目の緊急訪問では夜間等加算を算定できない
その月の1回目の計画外緊急訪問については、早朝・夜間・深夜の時間帯に訪問した場合であっても、それらの時間帯加算は算定できません。
この点は非常に混乱しやすいルールです。「深夜2時に緊急訪問した→深夜加算(50%増)が取れる」と思いがちですが、その月の初回緊急訪問の場合は深夜加算が取れません。
2回目以降の緊急訪問は夜間等加算を算定できる
同月の2回目以降の緊急訪問が早朝・夜間・深夜の時間帯に行われた場合は、時間帯加算を算定できます。
ケース1:月の1回目の緊急訪問が深夜(22:00〜翌6:00)
| 算定項目 | 算定可否 |
|---|---|
| 訪問看護費(所定の単位数) | ○ |
| 緊急時訪問看護加算 | ○(月1回分) |
| 深夜加算(50%加算) | ✕ 算定不可 |
ケース2:月の2回目の緊急訪問が深夜(22:00〜翌6:00)
| 算定項目 | 算定可否 |
|---|---|
| 訪問看護費(所定の単位数) | ○ |
| 深夜加算(50%加算) | ○ |
| 緊急時訪問看護加算(月2回目以降) | ✕(月1回のため新たな体制加算は発生しない) |
ケース3:定期訪問が夜間(18:00〜22:00)にたまたま設定されている場合
| 算定項目 | 算定可否 |
|---|---|
| 訪問看護費(所定の単位数) | ○ |
| 夜間加算(25%加算) | ○(定期訪問なので制限なし) |
| 緊急時訪問看護加算(体制加算) | ○(月1回) |
医療保険の「緊急訪問看護加算」は、訪問の都度算定します。医療保険の夜間・早朝加算は、緊急訪問看護加算と組み合わせて算定することが原則可能ですが、個別の詳細は訪問看護療養費の算定基準を確認してください。
緊急訪問が発生した
↓
Q1: この月の何回目の緊急訪問か?
↓
1回目 → 夜間・深夜加算は【算定不可】
2回目以降 → 夜間・深夜加算は【算定可能】
↓
Q2: 何時に訪問したか?
早朝(6-8時)→ 早朝加算25%
夜間(18-22時)→ 夜間加算25%
深夜(22時-翌6時)→ 深夜加算50%
通常時間 → 時間帯加算なし
↓
Q3: 緊急時訪問看護加算(体制加算)は今月算定済みか?
未算定 → 月1回分を算定
算定済み → 追加算定なし
訪問看護における保険の優先順位は、利用者の状態・疾病・年齢によって決まります。ここでは緊急時の加算算定に絞って整理します。
医療保険が優先されるケース(介護保険が使えないケース)
介護保険が適用されるケース
| 比較項目 | 介護保険 | 医療保険 |
|---|---|---|
| 体制加算の名称 | 緊急時訪問看護加算 | 24時間対応体制加算 |
| 体制加算の単位数 | Ⅰ:600単位、Ⅱ:574単位 | イ:6,800円、ロ:6,520円 |
| 体制加算の算定 | 月1回 | 月1回 |
| 実訪問加算の名称 | なし(体制加算のみ) | 緊急訪問看護加算 |
| 実訪問加算の金額 | (別途算定なし) | 265単位/回 |
| 届出先 | 都道府県・市区町村 | 地方厚生(支)局 |
| 夜間加算の制限 | 月1回目の緊急訪問は算定不可 | 別途確認が必要 |
月途中で医療保険から介護保険へ(または逆方向へ)切り替わる場合、加算の取り扱いが複雑になります。
月途中で医療→介護保険に切り替わった場合
同月内に医療保険の24時間対応体制加算を算定済みの場合、介護保険の緊急時訪問看護加算は算定できません。切り替わった後の月から介護保険側の加算を算定することになります。
月途中で介護→医療保険に切り替わった場合
逆のケースも同様です。すでに介護保険の緊急時訪問看護加算を算定済みの月に医療保険に切り替わっても、医療保険の24時間対応体制加算はその月には算定できません。
こうしたケースは医師の指示書の有効期限変更や疾患の悪化・診断変更などで実際に起こります。切り替えが発生した場合は、担当ケアマネジャーや主治医と連携し、加算の算定方針を慎重に確認してください。
訪問看護の保険振り分け判断の詳細は「医療保険・介護保険の振り分け判断フロー」で解説しています
医療保険の「緊急訪問看護加算」は、訪問看護ステーションが利用者または家族の緊急の求めに応じて、計画的な訪問以外に緊急で訪問看護を行った場合に算定できる加算です。1回の訪問ごとに算定します。
介護保険の緊急時訪問看護加算と根本的に異なるのは、実際に緊急訪問を行わなければ算定できないという点です。体制整備だけでは算定できません。
以下の要件をすべて満たす必要があります。
24時間対応体制加算を算定していること:緊急訪問看護加算は、24時間対応体制加算を算定している利用者にのみ算定できます。
主治医の指示があること:緊急訪問は主治医の指示(訪問看護指示書に基づく)のもとで行うことが前提です。ただし、緊急時は事後的な報告・確認で対応する場合もあります。
計画外の訪問であること:もともとのケアプラン・訪問スケジュールに含まれていない、緊急の訪問であることが必要です。
記録があること:緊急訪問の事実・時刻・内容・対応者が訪問看護記録に明記されていることが必要です。
医療保険の緊急訪問記録で特に重要な点は以下の通りです。
計画外であることの明示 記録に「計画外緊急訪問」と明記することで、通常の定期訪問と区別できます。
医師への連絡・報告の記録 緊急訪問後(または前)の主治医への報告内容・日時・医師の指示内容を記録します。この記録が医師の指示に基づいた訪問であることの証明になります。
算定の時系列記録 「電話連絡を受けた時刻→訪問開始時刻→訪問終了時刻→主治医報告時刻」の時系列が記録から読み取れるようにしてください。
医療保険の緊急訪問時に算定できる項目は以下の通りです(訪問看護ステーションの場合)。
| 算定項目 | 金額 |
|---|---|
| 訪問看護療養費(基本) | 所定の額 |
| 緊急訪問看護加算 | 265単位/回 |
| 早朝・夜間加算(6〜8時、18〜22時) | 25%加算 |
| 深夜加算(22〜翌6時) | 50%加算 |
| 複数名訪問加算(2名で訪問の場合) | 別途算定 |
緊急時訪問看護加算の算定漏れを防ぐためには、月次のレセプト作成時に体系的な確認フローを設けることが欠かせません。
【月次レセプト確認フロー】
STEP1: 算定対象利用者のリストアップ
└── 緊急時訪問看護加算の同意書取得済み利用者を全員リストアップ
STEP2: 算定除外条件の確認
└── 同月に医療保険の24時間対応体制加算を算定した利用者は除外
└── 同月に他ステーションで加算を算定している利用者は除外
└── 全期間入院中で訪問看護実績ゼロの利用者は除外
STEP3: 区分の確認
└── 届出した区分(ⅠまたはⅡ)とレセプト記載が一致しているか確認
STEP4: 緊急訪問発生利用者の特別確認
└── 緊急訪問が発生した利用者:訪問回数と夜間等加算の算定可否を確認
└── 月1回目:夜間等加算なし
└── 月2回目以降:夜間等加算あり(時間帯に応じて)
STEP5: 記録との照合
└── 緊急連絡受信記録・訪問記録がレセプト記載と一致しているか確認
STEP6: 最終チェック
└── 届出の有効性確認(受理済み・変更届不要)
└── 全利用者の同意書保管確認
以下のチェックシートを月次で活用してください。
【月次算定確認表】
対象月: 年 月
| No. | 利用者名 | 同意書 | 他ステーション確認 | 医療保険重複確認 | 区分 | 緊急訪問回数 | 夜間等加算 | 算定確認 |
|-----|---------|--------|-----------------|---------------|------|------------|----------|---------|
| 1 | | ○/✕ | ○/✕ | ○/✕ | Ⅰ/Ⅱ | 0/1/2回 | 有/無/不可 | ○/✕ |
| 2 | | ○/✕ | ○/✕ | ○/✕ | Ⅰ/Ⅱ | 0/1/2回 | 有/無/不可 | ○/✕ |
(以下、全利用者分)
確認担当者: 日付: 年 月 日
管理者確認: 日付: 年 月 日
「去年から加算を算定していなかったが、実は算定できていた」という状況が発覚した場合、過去分の遡及算定は原則として認められません。ただし、算定していなかった事実については返還義務はないため、発覚した月以降から正しく算定を開始することが肝心です。
一方、算定要件を満たさない状態で誤って算定してしまっていた場合は、過去分の返還が必要になります。定期的な内部監査・チェックの実施が自ステーションの保護にもなります。
推奨頻度:月1回(レセプト提出前)+年1回の総点検
年次総点検で確認する項目
緊急訪問は、時間的プレッシャーの中で対応しながら記録もしなければならないという二重の負担があります。記録が後回しになり、翌日以降に記憶を頼りに書くと、時刻の誤りや内容の省略が起きやすくなります。
また、緊急訪問後の記録は通常の訪問記録と混在しがちです。後からレセプト作成時に「これは緊急訪問だったのか定期訪問だったのか」が判別しにくくなることも問題です。
看護レポでは、スタッフがLINEから記録を送信できる仕組みを採用しています。これにより、緊急訪問中や訪問後すぐに、スマートフォンから記録が入力できます。
緊急訪問時の記録フロー(看護レポ使用時)
緊急電話受信(22:15)
↓
【電話受信時】LINEから即時入力
「22:15 ○○様の長男から電話。発熱39度・意識不良の訴え。訪問判断:緊急訪問決定」
訪問中(22:45-23:30)
↓
【訪問時】バイタルをその場でLINE入力
「22:45訪問。BT39.2℃、BP98/60、HR102、SpO2 94%、JCS Ⅰ-2。主治医へ報告準備」
訪問後(23:30)
↓
【訪問後】対応内容・プランをLINE入力
「23:00 坐薬挿入。23:10 主治医○○先生に報告→解熱剤使用・経過観察の指示。翌朝8:00再訪問予定」
これらの入力内容が自動的にSOAP形式のドキュメントにまとまり、訪問看護記録書Ⅱとして出力できます。
看護レポでは、緊急訪問として入力した記録が請求管理と紐付けられます。月末のレセプト作成時に、緊急訪問の発生回数・時間帯が一覧で確認でき、夜間等加算の算定可否もシステム側でチェックできます。
緊急時訪問看護加算の体制届出情報を事前に設定しておけば、対象利用者への自動算定フラグが立ち、算定漏れのリスクを大幅に低減できます。
緊急訪問の記録をリアルタイムで入力することには、算定根拠の確保以外にも以下のメリットがあります。
引き継ぎの確実性向上:翌日の担当者が夜間の緊急対応の内容をシステムで即座に確認できます。
主治医・ケアマネへの報告効率化:LINEで入力した記録を元に、翌日の主治医やケアマネへの報告書が自動生成されます。
チーム全体での情報共有:緊急対応の事実がシステムに記録されるため、「夜間に何があったか知らなかった」という情報断絶が防げます。
看護レポの基本機能は無料で利用でき、初期費用・クレジットカード登録も不要です。まずは無料プランで実際の使い勝手を確認してみてください。
記録時間を半分にする5つの効率化テクニックは「訪問看護の記録時間を半分にする5つの効率化テクニック」で詳しく解説しています
A. はい、算定できます。介護保険の緊急時訪問看護加算は「体制整備」に対する加算ですので、その月に実際の緊急訪問や緊急電話がなくても、体制が整っており届出・同意書の要件を満たしていれば算定できます。
ただし、「訪問看護を1回も実施していない月」については算定できませんのでご注意ください。
A. 単純な収益面では区分(Ⅰ)が月26単位多く算定できます。ただし、(Ⅰ)を算定するためには「負担軽減体制の整備」が実態として必要です。
体制が整っていないのに(Ⅰ)を届け出て算定すると、指導・監査で問題になります。まず体制を整え(当番制の導入、ICT活用、マニュアル整備など)、その実態に合った区分を選択することが正しい判断です。
A. 月途中で入院した場合、入院前に訪問看護の実績がある月であれば算定できる場合があります。ただし、月全体が入院期間であった場合や、訪問看護が全く実施されていない場合は算定できません。
具体的な判断は入院開始日・訪問看護の実施日などによって変わりますので、不明な場合は国保連または都道府県の相談窓口に確認することをお勧めします。
A. 管理者が変わった場合は「変更届」の提出が必要です。事業所全体の体制届出に管理者情報が含まれているため、変更があった場合は速やかに届け出てください。
変更届を出さないまま算定を継続すると、指導時に問題となる可能性があります。管理者交代の際は、加算の届出変更を「引き継ぎ事項チェックリスト」に必ず含めてください。
A. 介護保険の「緊急時訪問看護加算(体制加算)」は月1回が上限です。2回以上の緊急訪問があっても、体制加算の算定は月1回のみです。
ただし、緊急訪問自体の「訪問看護費」(基本報酬)は回数に応じて算定できます。また、2回目以降の緊急訪問が夜間・深夜の時間帯の場合は、夜間等加算を算定できます(1回目は不可)。
A. 訪問しなかった場合でも、電話対応の記録は必ず残してください。記録には以下を含めてください。
電話対応のみでも「緊急対応の実績」として記録に残すことで、体制が機能していることの証明になります。
A. 電話対応の最初の受付を外部に委託することは、2024年改定以降は要件的に許容される幅が広がりました。ただし、「看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制」という要件は残っています。
つまり、緊急性の判断や看護指導が必要な場面では、速やかに保健師・看護師等が対応できる仕組みを整えていることが必要です。外部委託の場合は、委託先から自ステーションの看護師へのエスカレーションルートが明確に整備されていることを確認・文書化してください。
A. 残念ながら、過去の算定漏れを遡って請求することは原則できません。国保連へのレセプト提出は毎月の締め切りがあり、その月分の請求は当月のみ有効です。
ただし、算定できていた月に算定しなかっただけの「逸失利益」については返還義務はありません。発覚した以降の月から適切に算定を開始することがポイントです。
なお、請求誤りで二重算定していた場合は返還が必要です。「取れていなかった」と「間違って取っていた」では対応が全く異なります。
A. はい、両者は別々の加算ですので、要件をそれぞれ満たせば同月に算定できます。特別管理加算は「医療処置が必要な状態への特別な管理」を評価するものであり、緊急時訪問看護加算の「24時間体制整備」とは評価の観点が異なります。
特別管理加算が必要な利用者(在宅中心静脈栄養法・褥瘡管理等)こそ、夜間・緊急時の対応頻度が高く、緊急時訪問看護加算も積極的に算定すべきケースが多いです。
特別管理加算の算定要件は「訪問看護 特別管理加算の完全ガイド」で詳しく解説しています
A. 主な情報収集先として以下をお勧めします。
厚生労働省のウェブサイト:診療報酬改定・介護報酬改定の告示・通知が公式に掲載されます。
各都道府県の介護保険担当部署:地域特有の取り扱い・Q&Aが発表されることがあります。
国保連(国民健康保険団体連合会)からの通知:算定基準の変更等が通知されます。
訪問看護ステーション協議会:各都道府県の協議会から最新情報が届くことが多いです。
管理システムのアップデート情報:看護レポなどのシステムはアップデートで最新の算定基準に対応します。
制度改定は概ね2年に1回(介護報酬)または隔年(診療報酬)ですが、途中でQ&Aや疑義解釈が発出されることもあります。定期的な確認を習慣化してください。
緊急時訪問看護加算は、訪問看護ステーションが24時間365日の対応体制を維持していることへの正当な評価です。月1回の体制加算として継続的に算定することで、ステーションの安定的な収益確保に貢献します。
この記事で解説した主要ポイントを以下に整理します。
押さえておくべき5つのポイント
2024年改定でⅠ・Ⅱの2区分に分かれた:区分(Ⅰ)600単位は負担軽減体制の整備が必要。区分(Ⅱ)574単位は通常の24時間体制。
算定の3条件は届出・同意・記録:どれか1つでも欠けると算定根拠を失います。
月1回目の緊急訪問では夜間等加算を算定できない:2回目以降は算定可能。この逆転ルールに注意。
医療保険の24時間対応体制加算と同月に重複算定できない:保険の切り替え月は特に慎重に。
記録は緊急訪問の事実証明:時刻・連絡者・対応内容・医師報告の記録が不可欠。
緊急対応体制の整備は、スタッフの負担軽減・離職防止にも直結します。区分(Ⅰ)を目指した体制強化は、加算収益の増加と組織の強化を同時に実現する取り組みです。
算定漏れが疑われる場合は、まずこの記事の「加算取り逃し事例TOP10」と「月次確認フロー」から点検を始めてみてください。
訪問看護の全加算を一覧で確認したい場合は「訪問看護 加算一覧【2024年改定対応】介護・医療保険を完全網羅」もあわせてご覧ください
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